オリックス銀絡む投資⽤マンション 管理会社の賃料⼊⾦滞る数⼗件規模、取引を調査

2023/3/7付  ⽇本経済新聞  朝刊

オリックス銀⾏が投資⽤不動産ローンを提供する複数の賃貸マンションで2022年11⽉ごろから、管理会社から物件オーナーへの賃料⽀払いが滞っていることが分かった。物件はいずれも同じ不動産会社が販売したもので、同⾏は不動産会社から顧客紹介を受けていた。同⾏は取引が適切だったか社内調査を始めた。

⽀払い遅延が発⽣しているのは不動産管理会社BLAZE(ブレイズ、東京・渋⾕)の管理物件。少なくとも数⼗件規模発⽣しているもよう。

物件はいずれも不動産会社ReVie(レヴィー、東京・渋⾕)が販売したもの。同社とブレイズはもともとグループ会社で、オーナーの多くはレヴィーの紹介でブレイズに管理を委託したようだ。⽇本経済新聞は2社にコメントを求めたが回答はなかった。法⼈登記によると、レヴィーは1⽉にCAPITALへ社名変更した。

オリックス銀は17年にレヴィーと取引を始めた。マンション購⼊を決めた顧客を紹介してもらい、審査したうえでローンを提供していた。⼊⾦遅延は22年11⽉ごろ、ローン利⽤者からの情報提供で把握した。

管理会社はマンション⼊居者から集めた賃料を物件オーナーに振り込む役割を担う。管理会社からの⽀払いが遅れると、オーナーらは銀⾏への毎⽉のローン返済ができなくなる恐れがある。

オリックス銀は22年12⽉から、過去にレヴィーから物件を購⼊し、同⾏がローン提供して現在も残⾼がある顧客を対象に聞き取り調査を始めた。ブレイズとの契約関係や賃料の⼊⾦状況を確認しており、専⽤の相談窓⼝も設けた。ローン利⽤者には必要に応じて返済猶予に応じる⽅針という。

オリックス銀は「(ブレイズとオーナーとの)契約には関与しておらず、審査などの⼿続きに問題はなかった」という。関係者によると、レヴィーは顧客にブレイズを紹介していることを、同⾏には伝えていなかった。

帝国データバンクによると、レヴィーの21年8⽉期までの3年間の累計売上⾼は約200億円。ここ数年で1000⼾規模の販売実績があるもよう。オリックス銀以外の⾦融機関とも取引関係があったようだ。

銀⾏が投資⽤不動産ローンの貸し出しを積極化するなかで今回の事案が発⽣した。銀⾏は顧客の紹介を不動産業者に頼っているケースが多いが、業者は⽟⽯混交で、トラブルの可能性が指摘されてきた。

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