2023/12/6 21:41  ⽇本経済新聞  電⼦版

価格上昇や⾦利⾼で消費者が住宅購⼊を控えている

低価格⼾建て分譲を⼿がける「パワービルダー」各社の在庫効率が悪化している。オープンハウスグループの2023年9⽉期の棚卸し資産回転⽇数は約190⽇と需要が活況だった21年9⽉期から約40⽇延び、過去5年間で最⻑となった。住宅価格上昇や⾦利⾼で消費者が購⼊に慎重になり、販売が振るわない。採算悪化の懸念から株価も低迷している。

国⼟交通省によると、10⽉の分譲⼾建ての新設着⼯⼾数は前年⽐8.8%減の1万1368⼾と12 カ⽉連続で前年を下回った。値ごろ感から中間層の需要を取り込んできたが、失速が鮮明 だ。リモートワーク需要の⼀服も影響しているようだ。

「過去10年間好調だった⼾建て市場も⾜元で供給過剰感が出るなど、事業環境の雲⾏きが怪しくなってきた」(オープンHの荒井正昭社⻑)

販売の伸び悩みから、パワービルダー各社は在庫を抱えてから売るまでの時間が⻑くなっている。3⽉期企業の飯⽥グループホールディングスケイアイスター不動産を9⽉期に換算 し、9⽉期企業のオープンHとともに棚卸し資産回転⽇数を算出したところ、23年9⽉期は3 社とも⻑くなった。オープンHが前の期⽐約2⽇増の約190⽇、飯⽥GHDが約34⽇増の約201⽇、ケイアイ不が約20⽇増の約220⽇だった。

飯⽥GHDは24年3⽉末までに未契約在庫を2万6000⼾弱と、23年9⽉末より1000棟ほど圧縮する⽅針だ。だが「市場全体の在庫調整が落ち着くにはもう少し時間がかかりそうだ」(同社)という。

地⽅や郊外では値下げ競争が起きており、建材や労務費などの上昇と相まって採算が悪化している。オープンHは24年9⽉期の連結営業利益が前期⽐13%減と13年の上場後初めて減益となる⾒通し。飯⽥GHDの23年4〜9⽉期の連結純利益は前年同期⽐54%減、ケイアイ不は52%減だった。

財務も悪化している。オープンHの有利⼦負債は9⽉末で5751億円と昨年9⽉末から13%増えた。飯⽥GHDの23年4〜9⽉期の営業キャッシュフローは654億円の⾚字(前年同期は691億円の⾚字)と⽀出超過となった。

株価も振るわない。オープンH株は24年9⽉期の営業減益⾒通しを発表した翌11⽉15⽇に急落。「順調に成⻑してきたオープンHも苦戦するのかと市場で不安が広がった」(SMBC⽇興証券の⽥沢淳⼀⽒)。10⽉末と⽐べた6⽇までの騰落率はオープンHが14%安、飯⽥GHDが5%安、ケイアイ不が21%安だ。

今後の焦点は住宅市場全体がどこまで悪化するかだ。都⼼部の⾼層マンション販売はなお堅調に推移するものの、注⽂住宅は需要に陰りが出ている。23年4〜9⽉期の⼾建て住宅の受注⾦額は⼤和ハウス⼯業が前年同期⽐18%、積⽔化学⼯業(集合住宅など含む)が10%減った。
⾦利の先⾼観が強まっていることも逆⾵だ。SBI証券の⼩沢公樹⽒は「⽇銀による政策修正などアナウンスメント効果で消費者の動きが鈍くなる可能性がある」と指摘する。住宅会社にとっても資⾦調達コストの上昇は重荷となる。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

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