記事のポイント
・東京23区では定期借家契約の賃貸マンションが増え、家賃も上昇傾向にある
・定期借地権付き分譲マンションの供給も急増し、2026年は過去最多となる見通しとなっている
・都心では「土地を所有する」より「利便性を優先する」という考え方が広がっている
・千代田区では定期借家契約の割合が東京23区で最も高くなっている
・これからは所有権マンションと定借マンション、それぞれの特徴を理解した上で選ぶ時代になっている

ここ数年、東京都心ではマンション価格が大きく上昇しています。 その影響もあり、 マンションの「所有の仕方」 にも変化が生まれています。 最近特に増えているのが、「定期借家」と「定期借地権付きマンション」です。 名前は似ていますが、内容はまったく異なります。 定期借家は賃貸契約の一種です。 契約期間が決まっており、期間満了後は原則として契約が終了します。

引き続き住むためには、新たに双方が合意して契約を結ぶ必要があります。 一方、定期借地権付きマンションは、建物は所有しますが、 土地は一定期間借りる仕組みです。 契約期間終了後には、更地にして土地を返還することが一般的です。 この二つは別の制度ですが、 どちらも都心で急速に増えている点が共通しています。

1. 増大する「定期借家」賃貸と都心3区における契約の現状

まず賃貸市場を見てみると、 東京23区では定期借家マンションの割合が年々高まっています。 特にファミリー向け大型物件では、定期借家の割合が34.9%となりました。

さらに千代田区では71.3%と東京23区で最も高く、 港区57.3%、 中央区43.0%となっています。 これは非常に興味深い数字です。 以前は、「定期借家だから家賃は安い。」というイメージがありました。 しかし現在では、 駅に近い。 築浅。 設備が充実している。 こうした人気物件で定期借家契約が採用されるケースが増え、平均家賃も高い水準となっています。

2. 急増する定期借地権付き分譲マンションと「土地所有者・購入者」のメリット

一方、分譲マンション市場でも変化があります。 定期借地権付きマンションは2026年に全国で4,808戸が竣工予定となっており、前年比約6倍と急増しています。 背景には、 土地所有者側の事情があります。

土地を売却すると税負担が大きくなるケースでは、 土地を所有したまま貸すという方法が選ばれることがあります。 その結果、 これまで分譲マンションが建設されなかった立地にも、新たな住宅供給が生まれています。 購入する側にもメリットがあります。 土地を購入しないため、 一般的には所有権マンションより価格を抑えられるケースがあります。 また固定資産税は建物部分のみとなります。

3. 都心3区で資産価値と利便性を両立するこれからのマンション選定軸

一方で、 地代 解体積立金 などの負担がある点には注意が必要です。 また借地期間が終了に近づくと、 資産価値に影響する可能性があることも理解しておく必要があります。 だからといって、 定借マンションは良くない、 という話ではありません。 近年は借地期間が70年前後まで長く設定されるケースも増えています。

さらに、「土地を所有すること」よりも、「都心で便利に暮らすこと」 を重視する方が増えていることも普及を後押ししています。 これは千代田区・港区・中央区でも同じです。 住宅価格が高騰する中、所有権マンションだけでは手が届きにくい立地でも、 定借という選択肢によって住める可能性が広がっています。

株式会社MIRABELLでも、 「所有権がいいですか?」 「定借でも問題ありませんか?」 というご相談をいただくことがあります。 私たちが伝えているのは、どちらが優れているかではなく、 ライフプランに合っているか、という視点です。 長く住む予定なのか。 資産として保有したいのか。 将来売却する予定なのか。 相続まで考えるのか。 目的によって選ぶべきマンションは変わります。

住宅価格が高い時代だからこそ、 選択肢は一つではありません。 定期借家も、 定期借地権付きマンションも、 それぞれの特徴を理解して選ぶことで、満足度の高い住まい選びにつながります。

東京23区では定期借家契約の賃貸マンションが増え、千代田区ではファミリー向け大型物件の約7割を占めています。 また、定期借地権付きマンションの供給も過去最多となる見通しで、都心部の住宅市場における新たな選択肢として存在感を高めています。 これからは、 所有権か定借か、 という単純な比較ではなく、 価格 立地 ライフプラン 資産価値 維持費 まで総合的に考えながら住まいを選ぶことが重要になっています。

Q1. 定期借家と普通借家は何が違いますか?
A. 定期借家は契約期間終了後に原則として契約が終了します。引き続き住む場合は双方の合意による再契約が必要です。

Q2. 定期借地権付きマンションは価格が安いのですか?
A. 一般的には土地を購入しない分、所有権マンションより価格が抑えられるケースがあります。一方で地代や解体積立金などの負担があります。

Q3. 都心3区でも定借マンションは増えていますか?
A. はい。定期借家契約の割合は千代田区71.3%、港区57.3%、中央区43.0%となっており、都心部で導入が進んでいます。


株式会社MIRABELL
千代田区マンション情報館
小川 勝

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