2024/3/12付 日本経済新聞 朝刊
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が発表した2月の小規模新築戸建て住宅の平均希望売り出し価格は東京23区が前月比0.8%安い1戸当たり6992万円だった。下落は2カ月ぶり。高額物件の売り出しが減り、平均を押し下げた。
調査は敷地面積50平方メートル以上100平方メートル未満の新築木造一戸建て(土地含む)について、最寄り駅まで徒歩で30分以内またはバスで20分以内の物件を対象とした。
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は0.5%高の5243万円だった。23区外を含めた東京都全体はほぼ横ばいの6247万円、神奈川県は4.5%高の4823万円、埼玉県は2.7%安の4292万円、千葉県は1.3%高の4286万円だった。近畿圏は0.4%高の3855万円、中部圏は4.9%高の3931万円となった。
市場では、実需層が戸建て住宅の購入を控えているとの見方がある。物価高や金利環境の先行き不透明感が影響しているようだ。在庫が膨らんだハウスメーカーは販売量を増やそうと価格調整を進め、相場に下押し圧力がかかった。東京カンテイの井出武上席主任研究員は「高額物件の売り出しはしばらく減るだろう。価格の下落トレンドが続きそうだ」と話す。
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