2023/10/18 16:23  ⽇本経済新聞   電⼦版

不動産経済研究所(東京・新宿)が18⽇発表した4〜9⽉の⾸都圏(東京都、神奈川県、埼⽟県、千葉県)の新築マンションの発売⼾数は前年同期⽐4.6%減の1万1712⼾と2年連続で減少した。資材⾼や⼯事現場の⼈⼿不⾜で建設コストが膨らみ、郊外を中⼼に事業の採算が合わないケースが増えた。富裕層や共働き世帯の引き合いが⾒込める都⼼の⾼額物件に新規供給が偏っている。

地域別の発売⼾数をみると、東京23区が同9.5%増の5679⼾と全体の半数近くを占めた。⼀⽅で神奈川県(27.2%減)や埼⽟県(45.8%減)など郊外は⼤幅に減少したエリアもあっ た。9⽉単⽉の⾸都圏の発売⼾数は前年同⽉⽐4.1%増の2120⼾と3カ⽉連続で増えた。不動産経済研究所の松⽥忠司上席主任研究員は「10〜11⽉の秋商戦に向けて新規供給はある程度回復していく」とみる。

4〜9⽉の消費者の購⼊割合を⽰す契約率は71.4%と好調の⽬安である70%を2年ぶりに上回った。都⼼部をはじめ、地⽅都市でも駅近くにある⾼層マンションの売れ⾏きは好調だ。⾸都圏の1⼾あたりの平均価格は前年同期⽐23.7%⾼い7836万円と同期間の過去最⾼を更新。23区は同36.1%⾼い1億572万円となり、4〜9⽉としてはデータを遡れる1990年度以降で初めて1億円を突破した。

建築費の上昇を受け、デベロッパー側でマンション開発の採算がとりづらくなっている。建設物価調査会(東京・中央)がまとめた9⽉の東京地区の建築費指数(速報値、2015=100) はマンションが125.8まで上昇した。

なかでも地⽅郊外は都⼼に⽐べて⼟地代が低いため、建築費の上昇が販売価格に与える影響が⼤きい。ある不動産⼤⼿幹部は「(マンションに⽐べて割安な)⼀⼾建てが選択肢になる郊外は需要の予測が難しく、コスト⾼の局⾯では新たな開発に乗り出しにくい」と話す。

⼈⼿不⾜で⼯期が⻑くなっていることもコスト⾼騰に拍⾞をかける。野村総合研究所によると、住宅建設技能者は40年に20年⽐の約6割にあたる51万⼈まで減る⾒通し。時間外労働が年360時間(労使合意がある場合は720時間)に規制される「2024年問題」が迫るなか、週休2⽇を導⼊するゼネコン⼤⼿も増えており、発注者であるデベロッパーの負担額も膨らむとみられる。

こうしたなかで各社は富裕層の需要が⾒込める都⼼の物件開発に注⼒している。不動産助⾔会社トータルブレインの杉原禎之副社⻑は「開発適地の減少で⼟地の仕⼊れも厳しくなるなか、確実に売り切れる好⽴地に絞って供給していく動きが強まるだろう」と説明する。

9⽉末時点の販売在庫数は4737⼾で依然として低⽔準にあるが、不動産経済研究所の松⽥⽒は「価格上昇が続けば、地⽅を中⼼に消費者⼼理が冷え込む可能性もある」と指摘する。従来は完成前完売が多かった新築マンションでもエリアによっては販売期間が⻑期化する物件も増えるとみている。

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