2024/2/28付 日本経済新聞 朝刊

賃貸マンションの家賃が上昇している。民間調査によると、1月は東京23区で前年同月に比べ1割高くなった。都心に人口が回帰するなか、新築・中古マンションが高騰。購入を諦めた人の賃貸需要が強い。大企業を中心に賃上げが広がり、借り手の家賃負担能力が高まったことも背景にある。

3カ月連続で最高値を更新し、今後も値上がり基調が続く公算が大きい。
不動産情報サービスのアットホーム(東京・大田)が主要都市13カ所の賃貸マンションを対象に、月額の募集家賃(賃料、管理費・共益費などを含む)を面積規模別に集計した。


27日に発表した1月の平均募集家賃は、東京23区でファミリー向き(50~70平方メートル)が前月比604円(0.3%)高い22万2416円だった。前年同月比では1万6493円(8.0%)高く、2015年1月の集計開始後の最高値を3カ月連続で更新した。

東京23区は特にマンション家賃の上昇幅が大きい

札幌市は前月比1.2%高い8万7417円、名古屋市は0.3%安い9万4865円、大阪市は0.9%高い14万3225円、福岡市は0.5%高い10万6911円だった。全13エリア中、8エリアで最高値を更新した。

マンション家賃の上昇の背景には、経済再開に伴う都市部への人口流入がある。
新型コロナウイルス禍で在宅勤務・リモートワークが普及し、住居を郊外に移す動きが広がった。23年5月に新型コロナの感染症法上の分類が、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。出社機会が増え、職場に近い都市部での賃貸需要が再び強まった。

ここに新築・中古マンションの高騰が重なった。特に東京23区は、海外の不動産投資家や富裕層の買い意欲が強い。建築費・人件費の上昇もあり、マンションの値上がりが鮮明だ。不動産経済研究所(東京・新宿)がまとめた1月の新築マンション平均価格は、東京23区で1戸当たり1億1561万円と前年同月比で36.7%高い。都心部は中古マンションでも1億円超えが珍しくない。

家賃動向を分析するアットホームラボ(東京・千代田)の磐前淳子データマーケティング部長は「新築・中古マンションは実需層が買えない局面になった。購入を諦めた人の賃貸シフトが進んだ」と指摘する。賃貸需要が強まり、家賃相場に上昇圧力がかかった。
東京23区の募集家賃を規模別でみると、ファミリー向きが前年同月比8.0%高、カップル向きZ(30~50平方メートル)が6.7%高だったのに対し、シングル向き(30平方メートル以下)は3.1%高にとどまった。

大企業を中心に賃上げが広がり、共働き家庭では家賃の負担能力が一定程度高まった。ファミリー向きやカップル向きは、貸し手が募集家賃を引き上げやすい環境になっている。主な入居者が学生や高齢者で、賃上げの恩恵が及びにくいシングル向きとは対照的だ。
都市部への人口流入の傾向は変わらない。マンション価格の高止まりなどで「家賃相場は当面下がる理由がない」(磐前氏)との見方が多い。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

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