2023/10/28 5:00 ⽇本経済新聞 電⼦版

2024年1⽉に控えた少額投資⾮課税制度(NISA)の刷新では⾮課税枠が⼤幅に拡⼤するとともに、⾮課税期間が無期限になる。⽣涯⾮課税で投資をすることが可能になり、⾼齢期も投資信託や上場株式などで⼀定の運⽤を続ける⼈は増えそうだ。NISAで投資していた親などが亡くなると、資産をどう引き継げばいいのか。相続の⼿続きや税のポイントを押さえておこう。

「70代の⽗がNISA⼝座で投資しています。もし亡くなったら、⾃分のNISA⼝座で相続できますか」。ファイナンシャルプランナー(FP)の⾼⼭⼀恵⽒は先⽇、千葉県の40代⼥性会社員Aさんからこんな相談を受けた。

Aさんの⽗は上場株式で900万円ほど運⽤している。今のところ健康に⼤きな⽀障はないが、友⼈から⽗親が亡くなったときに相続の⼿続きが⼤変だったと聞き、⾃分も万⼀に備えておきたいという。⾼⼭⽒は「新NISAの開始が近づくにつれて、資産の相続⽅法などを質問されることが多くなっている」と話す。

残⾼証明書を依頼

NISAで運⽤している親が亡くなったら、⼝座のある⾦融機関にまず連絡し、相続に向けた⼿続きを始める必要がある。どの⾦融機関で取引をしていたか分からない場合は、上場株式や上場投資信託(ETF)なら証券保管振替機構(ほふり)を通じて照会することができる。

ほふりは上場している商品が対象のため、⾮上場の⼀般の投信のみを保有している場合は証券会社などからの郵便物が⼿掛かりになりそうだ。⾮上場の投信と上場商品の両⽅を同じ⼝座で持っているケースでは、ほふりで⾦融機関を把握することができる。

⼝座のある⾦融機関が分かったら、故⼈(被相続⼈)が亡くなった⽇の残⾼証明書の発⾏を依頼する。残⾼証明書は亡くなった⽇の株式や投信の価格、保有していた株式数や投信⼝数といった情報を記載している。相続税は相続⼈が引き継ぐ財産ごとに課税上の評価額を出 し、相続財産の総額から基礎控除(3000万円+法定相続⼈の数×600万円)を差し引くなどして課税対象額があれば発⽣する仕組みだ。

上場株式・上場投信の評価額を計算する際は、①死亡⽇の終値②死亡⽉の終値平均③死亡前⽉の終値平均④死亡前々⽉の終値平均から最も低い価格を適⽤できる。適⽤価格に株式数や投信⼝数を掛けた額が評価額となる。⼀般的な⾮上場公募投信は、死亡⽇の1⼝当たり基準価格に保有⼝数を掛け、信託財産留保額や解約⼿数料を差し引く。

配当⾦も死亡⽇によって相続での扱いが変わる。NISA、課税⼝座とも株式を保有して配当を受け取る権利が確定する「配当基準⽇」に被相続⼈が⽣きていれば、相続財産に含む。配当⽀払⽇までに亡くなっても、すでに権利が発⽣しているため相続財産の対象となる。基準⽇前に死亡している場合は相続財産には含まれない。

移管先は課税⼝座

相続する投信や株式の評価額などを把握し、相続⼈のうちだれが、どれを、どれくらい相続するかが決まったら⾦融機関に必要書類を送り、資産の移管を依頼する。知っておきたいのはNISA⼝座の資産は相続⼈のNISA⼝座に移すことができず、移管先は課税⼝座になることだ。

「被相続⼈が死亡した時点でNISAは終了し、資産を払い出した扱いになる」(税理⼠の橘慶太⽒)ためだ。相続⼈の課税⼝座は故⼈と同じ⾦融機関であることも条件になっている。同じ⾦融機関に⼝座がなければ、新たに開設する必要がある。

取得価格に⽬配り

相続⼈が故⼈の運⽤資産を相続する際は、取得価格に⽬配りすることも⼤切だ。運⽤資産がNISA⼝座か課税⼝座かによって取得価格が異なり、「移管後に売却した場合に利益が出れば所得税と住⺠税の対象になる」と税理⼠の柴原⼀⽒は指摘する。

NISA⼝座から資産を引き継ぐ場合は、故⼈が死亡した⽇の終値が相続⼈の取得価格になる。例えば故⼈が1株1000円で購⼊した銘柄が死亡⽇に400円に下落していれば、400円が取得 価格とされる。相続⼈の⼝座への移管後に株価が上昇し、500円で売却すると利益が発⽣したとみなされ課税対象となる。

⼀⽅、故⼈の課税⼝座から資産を相続するケースでは、故⼈の購⼊価格が相続⼈の取得価格になる。1株1000円で購⼊していれば、1000円が取得価格だ。相続⼈が500円で売却すると損失が発⽣し、課税されない。損失をほかの課税⼝座で得た利益と通算することもできる。

NISA⼝座から資産を相続する場合でも、取得価格を下回る価格で売れば損失が発⽣するため課税対象にならない。損益通算も可能だ。ただし相続した資産を現⾦化する必要がどの程度あるのか慎重に検討したい。

例えば故⼈が⾼配当株を運⽤していた場合。相続⼈は⼀定の配当を⾒込めるとして、早期に売る必要はないと判断できる可能性もある。被相続⼈は将来の相続を⾒越し、⼦などが保有し続けてもある程度のメリットが期待できる資産に投資する考え⽅もありそうだ。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

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