2023/12/14 5:00 ⽇本経済新聞 電⼦版

国際的スノーリゾート、ニセコが位置する北海道倶知安町は10⽉から、条例施⾏に伴いホテル新築などを規制する新ルールの運⽤を始めた。宿泊施設などの建設はリゾート中⼼部に集約し、周辺の乱開発を抑制する。シンガポールを拠点とするバンヤンツリー・ホールディングスが⼿がける⾼級ホテルの開業時期が未定になるなど早くも影響が出始めた。

「現時点での開業時期は未定だ」。国内外で⾼級ホテルを展開するバンヤンツリーの担当者はこう明かす。⽇本進出は2022年で京都に続き、⻑野県⽩⾺村などにホテルを開業する計画を発表している。ニセコでは25年、スキー場「ニセコ東急グラン・ヒラフ」(倶知安町)の近くにホテルとコンドミニアムをオープンする予定だった。

開業時期が未定となった背景には、倶知安町が23年10⽉から運⽤を始めたリゾート開発に関する新ルールがある。従来は客室50室のホテルと、113室のコンドミニアムを設ける予定だったが、新ルールに適合しない部分があり計画修正を余儀なくされた。

新ルールは、北海道や倶知安町の告⽰と同町の条例が施⾏された10⽉から運⽤が始まった。スキー場を中⼼とするリゾートエリアの開発制限強化が主な内容だ。リゾートエリアの追加のほか、建物の⾼さを原則13メートル以下とする規制を盛り込んだ。

リゾートエリア内は17地区に分けた。地区ごとに開発を進める「拠点型地区」や開発を抑制する「保全型地区」などに割り振り、規制のメリハリをつけた。

例えばスキー場「ニセコ東急グラン・ヒラフ」や「ニセコHANAZONOリゾート」付近のリゾ ート中⼼部は拠点型地区として開発を継続し、ホテルやコンドミニアムなどを集積する。建物の⾼さも⼀部で最⼤33メートルまで許容し、中⾼層施設の建設も認める。

⼀⽅で森林や農地が残るエリアは、保全型地区とし開発を抑える。宿泊施設を建設する場 合、延べ床⾯積は1万平⽅メートル以下で容積率(敷地⾯積に占める延べ床⾯積の⽐率)は200%以下、⾼さは13メートル以下に制限して森林から建物が⾒えないように配慮する。新築物件は低層で延べ床⾯積も限られるため、⼤型宿泊施設などの建設は難しくなる。

リゾートエリアの周辺には「リゾート近隣エリア」を設定した。宿泊施設の建設は⺠宿に限る地域で、リゾート開発に⼀定の⻭⽌めをかける。ニセコではスキー場近隣の⽤地が少なくなるにつれて、遠隔地まで開発が拡⼤し、森林の減少が進みつつあった。

ニセコは00年代以降にオーストラリア⼈が良質なパウダースノーなどを評価し、インバウンド(訪⽇外国⼈)客が急増した。新型コロナウイルス感染拡⼤前の18年度には年間でインバウンドの宿泊延べ数が46万⼈泊を超え、10年間で3倍近くまで伸びた。

インバウンド需要の拡⼤を受けて、100室を超える⼤型ホテルやコンドミニアムの建設が相次いだ。拠点型地区に近い基準地価(23年)は1平⽅メートルあたり15万6000円と、18年⽐で3倍以上の⽔準まで上昇している。倶知安町内のリゾートエリアの宿泊定員数は9⽉末時点で1万5000⼈に迫り、16年6⽉⽐で66%増えた。ニセコ地区の不動産関係者は「100室規模の⼤型ホテルの開発は今後、難しくなる」とみ る。倶知安町に寄せられたパブリックコメントでは、開発をより強く規制するため「ベッド数の制限も設けるべきだ」との声も上がる。

ニセコではインバウンド需要が消えたコロナ禍でも、投資が続いた。ただ資材⾼騰や⼈⼿不⾜を受けて、⼯事が進んでいない案件も多い。10⽉より前に建設に着⼿していなければ、新ルールに沿った計画修正が必須となる。バンヤンツリーだけではなく、計画修正や開業延期が続く事態が予想される。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

千代田区マンション情報館(株式会社MIRABELL)
【マンション 売却・購入なら千代田区マンション情報館】
メールアドレス:info@mirabell.co.jp
電話:03-3261-5815