1. 老人ホームへの入居を検討するタイミング
帰省時に久しぶりに親と接して、介護施設や老人ホームへの入居を本格的に考え始めた方もいるかもしれません。老人ホームの入居には多額の費用がかかるだけでなく、税金面でも注意が必要です。特に、夫婦や親子で負担をどう分けるかが重要なポイントになります。
2. 前払い金と贈与税
有料老人ホームに入居する際には「前払い金」や「月額費用」が発生しますが、特に高額な前払い金には注意が必要です。夫婦の一方が他方の入居費用を支払う場合、それが贈与税の対象となる可能性があります。夫婦間での生活費の融通は贈与税の対象外となる場合が多いものの、過去には多額の費用を巡って課税されたケースもあります。
「婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、居住用不動産の贈与が2000万円まで非課税になる」という特例もありますが、老人ホームは「居住用不動産」に該当しないため、適用されません。専門家に相談し、資金の分け方や贈与税の対応を検討することが重要です。
3. 前払い金の返還に関する注意
老人ホームに入居した後、退去する場合には前払い金の一部が返還されることがあります。前払い金は、施設側が想定する居住期間に基づいて設定されており、実際の居住期間に応じて返還されることが一般的です。しかし、入居者が亡くなった場合、返還分は相続財産として扱われるため、相続税申告時にはこの点を忘れないように注意する必要があります。
4. 実家の空き家対策と税制特例
老人ホームへの入居に伴い、親が住んでいた自宅が空き家になることも少なくありません。この際には「小規模宅地等の特例」という税制特例を利用できる場合があります。この特例では、自宅の土地の評価額が330平方メートルまで8割軽減されるため、相続税対策として有効です。ただし、この特例を適用するには、要介護や要支援の認定を受けていることが条件となります。
また、空き家を放置しておくと「特定空き家」として自治体に指定され、固定資産税の大幅な増額や取り壊し費用の請求対象になることもあるため、早めの対策が求められます。
5. 同居親族との関係も重要
老人ホームに入居した後も、自宅に同居親族が住んでいる場合には特例が適用されますが、生計を別にしている親族が空き家に移り住んだ場合は特例が認められないことがあります。同居親族が将来実家に住む予定がある場合、早めに同居を検討することが有効な対策になるかもしれません。
6. まとめ
老人ホームへの入居に伴う費用や税金の問題は、家族でしっかりと話し合い、準備しておくことが大切です。前払い金や贈与税、相続に関連する税制特例など、さまざまな要素を考慮しながら、最適な選択肢を見つけましょう。不動産に関心がある40代男性にとっても、親の介護や相続を見据えた計画は、将来の安心に繋がる大切なステップです。
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