2023/12/22 11:00  ⽇本経済新聞  電⼦版

神奈川県は外国⼈向けガイドの育成を強化し、⾼付加価値な旅⾏体験の提供を⽬指す2022年10⽉〜23年9⽉に関東・⼭梨で宿泊したインバウンド(訪⽇外国⼈)の延べ⼈数は東京都と栃⽊県で4年前の同期間を上回った。他の6県でも5~7割の⽔準に回復。外国⼈観光客によるにぎわいは新型コロナウイルス禍前の勢いをほぼ取り戻しつつある。各地ではさらに観光地としての魅⼒に磨きをかけ、経済効果を⾼めようとする取り組みも盛んになっている。

栃⽊県では20年7⽉、⽇光市に開業した外資系ホテルの「ザ・リッツ・カールトン⽇光」が訪⽇客を引き寄せている。⼊国規制が緩和された22年末以降、情報発信を強化。秋の紅葉シーズンに限らず、奥⽇光を訪れる外国⼈客が増えている。

ヘリコプターを個⼈でチャーターして奥⽇光を訪れる海外の富裕層もいる。栃⽊県はこうした動きをさらに定着させるため、ヘリコプターによる送迎つきツアーを⺠間旅⾏会社などと連携して開発した。

リッツ・カールトンの開業効果は周辺にも波及している。同じ⽇光市内の⻤怒川温泉郷で は、コロナ禍前まで多かったアジア系団体客の回復に併せて「ポルトガルやノルウェー、チェコなどコロナ前には⾒かけなかった地域からの個⼈客も増えている」(旅館経営者)。これまで⽇光の名所と⾔えば世界遺産の⽇光東照宮だったが、温泉や⾃然など他の観光コンテンツが海外で知られるきっかけになっている。

東海道新幹線の⼩⽥原駅では毎⽇、多くの欧⽶⼈観光客が下⾞する姿が⾒られる。めざすのは箱根・芦ノ湖から眺める富⼠⼭の景⾊だ。

23年10⽉の神奈川県箱根町の外国⼈観光客数は6万7000⼈とコロナ禍前の18年10⽉を22%上回る⽔準まで回復。宿泊平均単価は4万円超、お⼟産やランチなどの消費額は1万円超と、円安を背景に旺盛な消費意欲を取り込んでいる。

こうした動きを受け、神奈川県も旅⾏体験の⾼付加価値化を進めている。専⾨ガイドと箱根の旧街道をトレッキングしながら地元の⼈と交流したり、お寺を貸し切りにして禅体験をしたりといった、22種類の体験プログラムを開発した。

埼⽟県では23年7~9⽉、19年同期⽐で2.15%増の2万5670⼈の外国⼈(中国・台湾・韓   国・⾹港を除く)が宿泊した。県観光課は「東京のインバウンドの伸びの波及効果である可能性が⾼い」とみる。宿泊施設からは「都⼼のホテルの宿泊価格の⾼騰もあり、問い合わせが増えている」といった声が上がっているという。

埼⽟県内の主要観光地にも着実に⼈出は戻りつつある。秩⽗市では3⽇、国連教育科学⽂化機関(ユネスコ)の無形⽂化遺産にも登録されている「秩⽗夜祭」が催され、多くの外国⼈観光客らでにぎわった。さいたま市の⼤宮盆栽美術館は、⽶国からの観光客が外国⼈の中で⼀番多く、同館によると⽶国からの来館者数は23年度には19年度と同⽔準にまで回復する⾒通しだ。

茨城県で有数の集客⼒がある観光スポットとして知られる国営ひたち海浜公(ひたちなか市)では、外国客の⼊場者数がコロナ禍前の19年4~11⽉が約3万⼈だったのに対し、今年の 4~11⽉は約2万5000⼈と8割の⽔準まで回復。現在は台湾、⾹港、タイからの旅⾏客が多  い。同公は春にあたり⼀⾯が空⾊で埋め尽くされる広⼤なネモフィラの花畑、秋にはコキアが紅葉する眺めが海外まで知れ渡っている。成⽥空港から近いという地の利もあり、⽇本の季節感が堪能できるスポットとして⼈気が⾼い。

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