2023/11/30 21:30 ⽇本経済新聞   電⼦版

ホテル専⾨の⽶調査会社、STRがまとめた10⽉のホテル平均稼働率は前⽉⽐2.7ポイント⾼い78.5%だった。新型コロナウイルス禍による低迷からの回復を受けた上昇基調が続き、コロナ禍に⼊って以降の最⾼を7カ⽉ぶりに更新した。円安などの後押しもあり欧⽶など⻑期滞在の訪⽇客が増加している影響が⼤きい。⽇次の最⾼稼働率は10⽉7⽇の91.1%だった。訪⽇客の宿泊需要に週末の国内客の利⽤が重なった。中国の国慶節（建国記念⽇）に伴う⼤型連休の終盤にあたり、中国からの訪⽇客の増加もあったとみられる。10⽉の客室単価は1万8898円で前⽉⽐で9.6%上昇した。

ホテル稼働率を巡っては、コロナ禍に⼊った20年には10%台に沈んだ⽉もあった。コロナ禍からの経済活動の回復や訪⽇客の復調の度合いにあわせて、ホテル稼働率も回復基調を続けてきた。23年10⽉の稼働率は2019年12⽉（78.8%）以来の⾼⽔準となる。

⽇本政府観光局によると23年10⽉の訪⽇客数は251万⼈を超え、コロナ前の19年同⽉を超えた。今後は回復の遅れている中国からの訪⽇客の動向などが焦点となる。⼀⽅で宿泊料⾦の⾼騰による国内客の需要の伸び悩みも懸念されている。

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