2023/7/18 15:34 ⽇本経済新聞 電⼦版
東京カンテイ(東京・品川)が18⽇発表した6⽉の分譲マンション賃料は、東京23区が1平⽅メートル当たり4138円だった。前⽉⽐0.4%安く、9カ⽉ぶりに下落した。春の引っ越し需要が落ち着く夏の不需要期に⼊り、賃料が⼤きく上がっていた物件を中⼼に下落圧⼒がかかった。
分譲マンション賃料はマンションの住⼾の持ち主が貸す際に設定する賃料。専有⾯積30平⽅メートル未満の住⼾や事務所・店舗⽤を除く、ファミリータイプのみを調査対象とした。
⾸都圏(東京都、神奈川県、埼⽟県、千葉県)が同0.5%⾼い3516円だった。このうち、23 区外も含めた東京都全体は同0.5%安の4016円、神奈川県は同0.2%安の2510円、埼⽟県は 同0.9%安の1997円、千葉県は同2.3%⾼の1987円だった。
東京23区では5⽉まで賃料⽔準の上昇が続いた。新型コロナウイルス禍からのリオープン(経済再開)で都内への流⼊が増えたことが背景にある。6⽉に⼊って新年度⼊りに伴う引っ越し需要が落ち着いた。借り⼿が減ったことで、強気の賃料を設定していた築浅の物件を中⼼に賃料が下がった。
物価⾼で可処分所得が縮⼩し、賃料が⾼い物件ほど借り⼿がつきにくくなっているとの指摘もある。
東京カンテイの⾼橋雅之主任研究員は「6⽉の下落は季節要因が⼤きい」とした上で「賃料トレンドが変わったとは⾔い切れない。引っ越し需要が持ち直す秋まで動向を⾒極める必要がある」と説明する。
近畿圏のマンション賃料は前⽉⽐0.2%⾼の2233円。中部圏は同0.8%安の1936円だった。