2023/12/27  16:15 ⽇本経済新聞 電⼦版

「東京都⼼のマンションを探している。予算は30億円だ」。今年秋、不動産仲介のリストインターナショナルリアルティ(横浜市)に⾹港の実業家から問い合わせが届いた。

同社では海外の富裕層からの物件照会が右肩上がりで増えている。11⽉は前年同⽉⽐で2割増の195件だった。1〜11⽉は2120件と、前年の同期間と⽐べて4割以上増えた。⼤半が投資⽬的だ。

2023年、都⼼部のマンションは⼀段と⾼騰した。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、都⼼6区(千代⽥、中央、港、新宿、⽂京、渋⾕)における中古マンションの平均希望売り出し価格は、直近11⽉まで10カ⽉連続で02年の集計開始後の最⾼値を更新し た。11⽉は70平⽅メートル当たり1億896万円。今年に⼊って中古マンションでも「億ション」が定着した。中古マンションは新築に⽐べて売買の流動性が⾼いため、住宅市況の温度感を映しやすいとされる。

同じ東京23区でも、エリアによって売買市場の景⾊に違いが⽣じてきている。都⼼6区で値上がりが続く⼀⽅、品川区や世⽥⾕区といった城南・城⻄6区および練⾺区や江⼾川区といった城北・城東11区では頭打ちとなった。21〜22年は3エリアそろって値上がりしてきたが、今年に⼊ってからは都⼼6区の独歩⾼が鮮明だ。

要因は何か。東京カンテイの⾼橋雅之主任研究員は「それぞれのエリアにおける主な買い⼿の購買⼒の変化」と指摘する。

都⼼6区をけん引する⼀⾓として⽬⽴ってきたのが投資家だ。とりわけ海外マネーは円安の追い⾵も⽣かし、資産性が⾼い優良物件を買いあさる。

これに対し、城南・城⻄6区と城北・城東11区では「実需層」と呼ばれる国内の⼀般家庭が主な買い⼿だ。家庭の懐事情は厳しい。厚⽣労働省の毎⽉勤労統計調査によると、1⼈あたりの賃⾦は物価を考慮した実質が10⽉まで19カ⽉連続でマイナスとなった。物価⾼に賃⾦の上昇が追いつかず、⼀般消費者にとり住宅は⾼根ならぬ「⾼値の花」の様相を強めた。

結果としてこの2エリアでは中古マンションの売り⼿が価格調整を迫られた。直近3カ⽉間に値下げした割合を⽰す「価格改定シェア」は、11⽉時点で城南・城⻄6区が44.8%、城北・城東11区が46.4%と半数近くに及ぶ。都⼼6区では36.3%にとどまった。「残念ながら実需層には限界が来ている」(⾼橋⽒)

実需の購買⼒低下は⼾建て住宅市場でも顕著だ。東京カンテイによると、主要エリアの城南・城⻄6区では⼩規模新築⼾建て住宅の平均希望売り出し価格が今年に⼊って頭打ちとなった。10〜12⽉期は20⽇時点で1⼾当たり8542万円と前四半期⽐0.8%安い。21〜22年のよ うな値上がりの勢いは失われ、天井感がただよう。

低価格の⼾建て住宅を供給する「パワービルダー」各社では在庫を抱えてから売るまでの期間が⻑期化し、在庫効率が悪化している。
今後も実需の住宅購⼊には向かい⾵が吹きそうだ。市場では⽇銀が24年にもマイナス⾦利政策を解除するとの観測が広がる。⾦利の上昇で住宅購⼊時の借り⼊れコストが膨らむ。「⾦利ある世界」の⾜⾳が近づく中、⽇本の不動産を買える海外の富裕層と買えない国内の⼀般層との差はますます広がりそうだ。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

千代田区マンション情報館(株式会社MIRABELL)
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