原状回復のための表面的な改修を行う「リフォーム」に対して、機能・価値を刷新して包括的な改修を行うのが「リノベーション」。最近増えているのが、リノベーション済みや、オーダーメイドリノベーションを謳うも、実際は表面的な改修しか行っていないという状況。名前に騙されずに、しっかりとした品質のものを選ぶにはどうしたらいいのか。そんな悩みを解決してくれるのが、「適合リノベーション」。適合リノベーションとは何か、なぜ選ぶべきなのか、どうやって探すのかを解説していきます。

リノベーション リフォーム コンクリート

適合リノベーションを選ぶメリットは「検査」「保証」「履歴情報の保管」

適合リノベーションとは、きちんと検査をした上で最適な改修を施し、その記録を住宅履歴情報として保管。また、万が一に備え、アフターサービス保証がつくため、安心して選べるリノベーション住宅のことです。メリットを整理すると主には3つ。検査、保証、そして履歴情報の保管です。

重要インフラの検査では、13項目の重要インフラに対して改修前の建物調査を行います。重要インフラとは、電気、ガス、水道などの設備です。工事をしてしまえば、目に見えない部分。13項目は、給水管、排水管、給湯管、ガス管、電気配線、分電盤、火報設備、下地組(床・壁・天井)、浴室防水を差します。

次に重要インフラの保証。重要インフラ13項目に対して、新規・既存に関わらず2年間の保証がつきます。最後に、履歴情報の保管。平面図、仕上げ表などをデータ保管します。IDとパスワードが発行され、ログインすればリノベーション履歴を見ることができます。

まとめるとこうなります。

検査・・・普段は隠れて見えない重要インフラ13項目の検査
保証・・・それを新規・既存問わず、第三者機関が保証
保管・・・リノベーション履歴を保管。次の改修や売却時にも便利

配管 リノベーション 工事

住宅インフラは最優先事項

なぜ適合リノベーションを選ぶべきか。一言でいえば、電気、ガス、水道などのインフラが大切だからです。マンションには「専有部」と「共有部」の二つに分かれます。専有部は、自己負担で直すもの。共有部はマンション管理組合負担で直すものです。重要インフラについては、すべて専有部分。つまり、配管などで欠陥があれば自己負担で直さないといけないのです。

築30年超えのマンションの配管はこうなっている

配管 劣化

こちらは築30年を超えたマンション排水管。これは赤錆。鉄製の配管は築30年も超えれば劣化がすすみ、配管の交換が必要となります。衛生的によくないだけでなく、排水が流れにくくなるため、水つまりや漏水の原因に。表面的に綺麗だったとしても、床下はこんな状態では、安心して心地よい暮らしはおくれません。

リノベーションでは、配管を含め、内装をすべて解体します。これをスケルトン状態といいます。なぜスケルトンにするのか。それは配管などのインフラ部分を新調するためです。リノベーションというとオシャレ先行なイメージがありますが、実は本当に大事なのは配管などのインフラ部分。適合リノベーションでは、基本的にはインフラ部分も新調します。気をつけないといけないのは、インフラ部分が変えられていないリノベーション済み物件。

または、築30年を超えているのに、インフラ部分の改修を提案してこないリノベーション会社。これらを選んでしまうと、住んでからが大変です。漏水が頻発したり、排水から変な匂いが漂い続けたり。そうならないためにも、一定の水準を満たしたリノベーションを見極める必要があるのです。

適合リノベーションを簡単に見極める方法

リノベーション住宅推進協議会 R1基準

リノベーションは大きく2種類に分かれます。既にリノベーションされたものを買う「買取再販型」。もう一つがオーダーメイドでつくる「請負型」。買取再販型の場合、見分ける方法は簡単。販売図面や広告ページでR1の印がついているかどうかで判断できます。請負型の場合は、もし相談している最中なら担当者に聴いてみましょう。これから探すという場合はリノベーション協議会のサイトから各地の適合リノベーションに対応している業者を探すことができます。

リノベーション済み物件なら・・・「R1」の印があるかどうか
オーダーメイドリノベーションなら・・・リノベーション協議会のページから検索

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