1. 空き家問題、どうして解決が難しい?

近年、空き家問題が全国で深刻化していますが、その解決が思うように進まない理由は、単に不動産の問題だけではなく、環境や福祉など多岐にわたる課題が絡んでいるからです。

たとえば、空き家が放置されている理由として、親が認知症で管理できないとか、相続問題が複雑すぎて手がつけられないといったケースも少なくありません​。

2. ワンストップで問題を解決!東京都足立区の取り組み

こうした複雑な空き家問題を一気に解決するために、東京都足立区では各分野の専門家が集まった「ワンストップ空き家対策チーム」が活躍しています。このチームは、不動産業者、弁護士、土地家屋調査士、建築士など、さまざまな分野のプロが集まり、複雑な問題に対応できる体制を整えています​。

代表的な例として、「まちなか整備・管理機構」という一般社団法人があります。この団体は、相談会を定期的に開き、空き家に関する悩みを抱える人たちにアドバイスを提供しています。足立区に限らず、他の地域に空き家を持つ人からの相談も多く、最近ではオンラインでの対応も増えているそうです​。

3. 民間と行政のギャップを埋める勉強会

このプロ集団が生まれるきっかけとなったのは、葛生貴昭さんという不動産業者が主催した勉強会でした。10年ほど前、葛生さんは区役所の職員と一緒に、空き家問題をどう解決するか話し合っていたところ、行政と民間の間での認識の違いに気づきました​。

例えば、行政側は「再建築不可の土地では住宅ローンが組めない」という基本的な情報を知らなかったり、民間側は「所有者を探索すれば9割以上の確率で見つかる」という事実を知らなかったりしました。このような知識のギャップを埋めるために、さまざまな専門家が集まり、問題解決に向けた勉強会が始まったのです​。

4. 空き家問題の3つのパターン

葛生さんは、空き家問題を大きく3つのパターンに分けています。

  • 都市型:例えば足立区のように、売却先が比較的見つかりやすいエリア。ただし、権利関係が複雑だったり、認知症や生活保護など福祉的な課題が絡むことが多いです。
  • 地方型:人口減少が進む地域では、移住促進策とセットで空き家対策が進められることが多いです。
  • 国道16号型:東京近郊のエリアで、人口減少と子育て支援を一体で進める必要があります​。

それぞれの地域で、異なるアプローチが求められるため、地域ごとの専門家が集まり連携することが大切です。

5. 志のあるリーダーが鍵

このようなワンストップ解決の体制を整えるには、地域に根ざしたリーダーが必要です。行政がすべてを取り仕切るのではなく、民間から志のあるリーダーが育ち、プロジェクトを進めていくことで、地域全体の問題解決に繋がります​。

まとめ

空き家問題は、一見シンプルな不動産の問題に見えますが、その背景には福祉や環境など多くの課題が絡んでいます。東京都足立区のように、ワンストップで問題解決を目指す取り組みが広がれば、今後の空き家対策もスムーズに進むことでしょう。不動産に興味のある40代男性にとって、このような新しい取り組みは、今後の不動産市場にも影響を与える重要なポイントとなるかもしれません。

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