2024/3/17 4:00 日本経済新聞 電子版

「東京のマンションは高すぎて買えない」。都内在住の30代男性はため息をつく。昨夏に東京五輪・パラリンピック選手村跡地の「ハルミフラッグ」(東京・中央)のタワー棟住戸を購入しようとしたが、高倍率の抽選に外れた。土地取得の経緯が特殊で割安なハルミフラッグは3LDKで約7000万円だったが、近隣の似た広さのマンションは中古でも1億円を超える。
一般的なサラリーマン世帯が買えるマンションがないわけではない。「プロミライズ青葉台」(横浜市)は広さ70平方メートル台の住戸でも6000万円台。東京都心からは離れるものの、最寄りの東急田園都市線・青葉台駅から渋谷駅へ乗り換えなしで通勤できる。入居開始は2年ほど先だが、販売対象556戸(総戸数は761戸)の6割に当たる343戸が2月末時点で成約済み。購入者の1割超は都内在住者だ。

購入も賃貸も高騰

もっともプロミライズ青葉台のように交通利便性が良く、手も届きやすいマンションは多くない。不動産経済研究所(東京・新宿)がまとめた2023年の新築マンションの平均価格は、東京23区で1億1483万円とデータを遡れる1974年以降で初めて1億円を突破。神奈川県でも東急東横線・元住吉駅(川崎市)周辺で新築の「億ション」がある。多くの日本人にとって高根の花だ。

マンション価格が高すぎるなら賃貸を選ぶ手もあるが、最善策とは言い切れない。家賃も上昇しているからだ。アットホーム(東京・大田)によると今年1月の平均募集賃料は東京23区のファミリー向け(50〜70平方メートル)で前年同月比1割高の月22万円と最高値を更新した。

不動産仲介を手掛けるFJリアルティ(東京・中央)の藤田祥吾社長は「マンションの購入検討時には目先の値上がり・値下がりだけでなく、賃料を支払い続ける場合との比較も必要」と話す。家賃が月22万円なら5年間の支払総額は1320万円。購入したマンションの5年後の中古価格が上がらなくても、あまり下がらなければ、家賃を払い続けた場合より十分有利だ。

「買える」3つの条件


では億ションの購入には二の足を踏むパワーカップルや一般的なサラリーマン世帯でも買えて、値下がりリスクも小さいマンションはあるのか。目をこらすと3つの条件が浮かび上がってくる。

1つ目は、これから再開発が進むエリアの中古物件だ。例えばJR総武線の小岩駅(東京・江戸川)。駅前では三井不動産レジデンシャルと野村不動産がそれぞれ主体となり、2棟のタワーマンションを開発中だ。区の再開発計画には駅前広場や立体歩行者通路、駐輪場の整備なども含まれ、駅前の風景は一変する。東京駅まで約20分と交通利便性も高い。

この2棟のタワマンの資産性は高そうだが、70平方メートル換算の平均価格が8500万円前後になるとの見方があり、購入できる層は限られる。一方で周辺の中古物件はそこまで高くなく、駅近くの築浅・3LDKで6000万円前後の事例もみられる。

そして再開発は「中古を含め周辺のマンション相場の押し上げにもつながる」(東京カンテイの井出武上席主任研究員)。商業施設が誘致されて子育て世代などの人気が高まるからだ。過去に開発が進んだ二子玉川(東京・世田谷)が典型例で、沖縄県や福岡市など地方でも事例は多い。小岩についても同様の展開を期待する見方がある。
東京都江東区の豊洲など人気エリアの「周辺」も狙い目だ。値上がりが相対的に緩やかな物件が多く手が届きやすいうえ、人気エリアの価格高騰によって将来の中古価格も下支えされやすい。JRなどの人気路線の近くを走る別の路線の沿線地域の物件も、似た理由で資産性に期待しやすい。

日銀のマイナス金利解除観測が強まるなかでも、東京都心や準都心のマンションには国内外の富裕層マネーの流入が続く。人気エリアの総億ション時代はまだまだ終わりそうにないが、そんななかでも「買える」穴場のマンションを探してみよう。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

千代田区マンション情報館(株式会社MIRABELL)
【マンション 売却・購入なら千代田区マンション情報館】
メールアドレス:info@mirabell.co.jp
電話:03-3261-5815