2023/12/3 19:58 (2023/12/3 22:30更新) ⽇本経済新聞 電⼦版
国内⾼級ホテルが訪⽇富裕層を狙って新規開業を増やす。客室の⼤半を外国⼈客で埋めることを想定する。パレスホテルはホテル数を2030年までに2.5倍にする。帝国ホテルは30年ぶりの新規ホテルを開く。政府は1⼈あたりの訪⽇旅⾏消費額の引き上げを⽬指すが、⾼級宿泊施設は不⾜している。⾼価格帯のホテルも訪⽇客を取り込むための投資に動く。
パレスホテルは主要都市に新たに出店し、運営ホテル数を現在の4施設から、30年までに10施設程度にする。多額の投資が必要な⼟地や建物を⾃社で所有せず運営だけ担う⽅式を中⼼にして、短期間で増やす。
⽇本政府観光局(JNTO)によると10⽉の訪⽇外国⼈は251万6500⼈で、19年同⽉に⽐べ 0.8%増となった。中国からの訪⽇客数の回復は遅れているが、⾼単価で⻑期滞在を⾒込める欧⽶豪からの訪⽇客の伸びが⽬⽴つ。
⾼価格帯のホテルでは外国⼈客の割合が⾼まっている。パレスホテルの旗艦店であるパレスホテル東京(東京・千代⽥)では10⽉の宿泊客に占める外国⼈⽐率が約75%となった。新型コロナウイルス禍前より5ポイント程度上がった。帝国ホテル東京(同)も6割を超える。
富裕層の訪⽇が増えたこともあり、平均客室単価も上がっている。パレスホテル東京では新型コロナウイルス禍前の6万円台から、⾜元では10万円弱まで上がった。帝国ホテル東京では19年3⽉期の3万6045円から、23年10⽉は6万円台まで上昇した。
これまで訪⽇客を狙ったホテルの新設は、⼿ごろな価格帯のホテルが中⼼だった。富裕層の訪⽇が増え、⾼級宿泊施設の動きも活発になってきた。
ヒューリックは30年ごろまでに国内の直営ホテル・旅館事業に数百億円を投じる。施設数を 38と現在の約2倍にする。このうち1泊10万〜30万円の⾼級旅館「ふふ」は現在の9軒から約2倍の17軒にする。神奈川県城ケ島や⻑野県軽井沢で開発を計画しているほか、北海道の定⼭渓、兵庫・有⾺温泉などを候補地としている。
帝国ホテルは26年春に京都で新規開業する。30年代には帝国ホテル東京の本館を建て替える。政府はインバウンド政策で量から質への転換を進めており、1⼈あたりの訪⽇旅⾏消費額を引き上げる⽬標を掲げる。⽬標達成に向けて課題となっているのが、⾼級宿泊施設の少なさだ。
⽶旅⾏サイト「ファイブスターアライアンス」をもとにした観光庁の資料によると、20年6⽉時点で⽇本の5つ星ホテルは34。⽶国(801)やイタリア(196)に遠く及ばず、同じアジアの中国(137)やタイ(112)、インドネシア(58)よりも少ない。
⾜元では外資系の⾼級ホテルの開業も⽇本で増えているが、全体としてはまだ不⾜している。観光庁も地⽅に⾼級宿泊施設を誘致する取り組みを進めている。海外の富裕層に⽇本のホテルブランドが浸透すると、各社が海外で事業を広げるチャンスにもつながる。パレスホテルの吉原⼤介社⻑は「(訪⽇客向けに)ブランドを磨き上げれば、海外からホテル運営の誘いが来るようになる」と話す。
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