【ニューヨーク=⼸真名】⽶マリオット・インターナショナルなどホテル⼤⼿3社の2023年 7〜9⽉期決算が2⽇、出そろった。3社ともに夏休みの旅⾏シーズンで⾼まった海外旅⾏の需要を取り込み、増収増益を確保した。アジア太平洋地域の売り上げが引き続き堅調だった。それぞれ23年12⽉期通期の業績⾒通しを上⽅修正した。
2⽇に発表したマリオットの23年7〜9⽉期の売上⾼は前年同期⽐12%増だった。地域別売上⾼の内訳を⾒ると、収益⼒の⽬安となる「1部屋あたりの売上⾼、RevPAR」(フランチャイズを含む)は中華圏が47%増の87.31ドル(約1万3000円)と伸びが最も⼤きかった。中華圏を除いたアジア太平洋地域も36%増え、全体をけん引した。
ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスのクリストファー・ナセッタ最⾼経営責任者(CEO)は10⽉25⽇の決算説明会で「中国の景気悪化を懸念する声があるが、旅⾏需要は堅調だ。この傾向は24年にかけて続くだろう」と指摘した。
各社はレジャー、ビジネスともに堅調だとする。マリオットと同時に決算を発表したハイアット・ホテルズのマーク・ホプラメジアンCEOは決算説明会で「消費者は引き続き体験への⽀出を優先している」とコメントした。
3社は好業績をうけて、23年12⽉期通期の業績⾒通しを上⽅修正した。2⽇発表のマリオットはRevPARが前期⽐14〜15%増と予想し、従来予想(12〜14%増)を引き上げた。ハイアットは15〜16%増とし、14〜16%増としていた従来予想の下限を引き上げた。
ただ、マリオットが発表した業績予想は市場予想に届かず、同社の株価は2⽇の株式市場で⼀時前⽇⽐4%下落する場⾯があった。ハイアットも⼀時7%下落する場⾯があり、逆⾏安となった。消費者の節約志向が広がる⽶国で、国内旅⾏の需要が鈍化する兆しがある。ヒルトンの地域別のRevPARは、アジア太平洋地域が39%、中東・アフリカ地域が19%増えたのに対し、⽶国だけ1桁(3%)の増加率にとどまった。
イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突による影響についてマリオットのリーニー・オバーグ最⾼財務責任者(CFO)は「イスラエルやレバノン、ヨルダン、エジプトのホテルでキャンセルが出始め、需要が軟化している」としつつ、「他の中東地域には影響は⾒られない」と説明した。
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