2023/11/6 5:00 ⽇本経済新聞 電⼦版

インバウンド(訪⽇外国⼈)の急回復を背景にホテルの建設ラッシュが続いている。外資系の進出も⽬覚ましく、⼈材の争奪戦も繰り広げられている。宿泊料⾦は需要回復に伴い、多くの地域でコロナ前の⽔準をはるかに超えた。ホテル⼤競争の実態を3つのグラフィックをもとに解説する。「ホテルの価格が⾼くて泊まれない」と感じている⼈は多いだろう。⾜元の価格はコロナ禍前の⽔準を⼤幅に超えた。メトロエンジン(東京・品川)によると、8⽉の京都市のホテルの平均宿泊価格(1室2⼈)は1.9倍、東京23区は1.8倍になった。

価格は基本的に需要と供給のバランスによって決まる。ホテル業界では価格変動制が主流 で、需要が⾼まると価格は上がる。最近の価格⾼騰は主に訪⽇外国⼈の需要回復によるものだ。⽇本のホテルは海外に⽐べて安く、円安もあって訪⽇外国⼈はさほど⾼いと感じていない。

ホテルの価格はまだ上がり続けるとの⾒⽅が多い。⼈⼿不⾜もあり、ホテルは安売りをして稼働率を無理に上げようとせず、単価の上昇を狙う。「憧れのホテルにはもう泊まれない」。⽇本⼈の旅⾏者からはため息が漏れる。

観光庁の最新の調査では、訪⽇外国⼈の宿泊費はコロナ禍前に⽐べて全国・地域平均で5割近く伸び、消費額を押し上げている。欧⽶⼈の宿泊料⾦が⾼いのは滞在⽇数が⻑いためだ。訪⽇中国⼈はコロナ禍前の約4割の⽔準で、本格回復するのはこれからだ。

訪⽇客の増加や東京五輪などを背景に、ホテル数はこの10年で1.3倍に増えた。今後もホテルの建設ラッシュは続く。「ブルガリ東京」やアマンの姉妹ブランド「ジャヌ東京」など外資系⾼級ホテルの進出が⽬覚ましい。能⼒や経験のある⼈材が外資系⾼級ホテルに引き抜かれる争奪戦も⽔⾯下で繰り広げられているようだ。


訪⽇外国⼈なぜ増えているの︖

⽇本は観光⽴国に向け、ビザの発⾏要件を緩和した。円安もあり、⾷が楽しめ、清潔で治安がよいとして⽇本の⼈気は⾼い。世界経済フォーラムの2021年版の旅⾏・観光競争⼒ランキングで⽇本は初めて世界1位に。9⽉の訪⽇外国⼈数は約218万⼈とコロナ禍前に迫るまでに回復し、アジア新興国の中間所得層の拡⼤を背景に今後も増えそうだ。


旅館は増えているの︖

旅館は⼩規模事業者が多く、後継者が⾒つからずに廃業に追い込まれる場合もあり、減少の⼀途をたどっている。⼀⽅で、伝統⽂化体験の場として旅館の価値も再認識されている。2021年に⾼級ホテルのアマン創業者が⼿掛けた旅館が中国地⽅に開業した。⽶ハイアット・ホテルズ・コーポレーションは25年をメドに⽇本で温泉旅館を展開する。


⼈⼿不⾜対策は︖

コロナ禍で他業界へ流れた⼈材が戻らず、空室があっても予約を受け付けないホテルは多い。今年、外国⼈の在留資格「特定技能」のうち、⻑期就労できる2号の対象に宿泊業が加わることが決まった。外国⼈を採⽤するホテルも少しずつ増えている。ロボットやデジタルの活⽤で省⼒化する⼀⽅、従業員の「おもてなし⼒」を⾼める取り組みも進む。

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