2023/10/19 5:00 ⽇本経済新聞 電⼦版
「都内は⾼すぎるので、いっそ地⽅に住むことも考えたけど……」。東京都内の通信会社に 勤める男性(32)は6⽉に⼩⽥急線百合ケ丘駅(川崎市)から徒歩7分の場所に築25年の中古マンションを購⼊した。
リフォームも含めるとかかった費⽤は約3700万円で、⽉々のローンや管理費の⽀払いは12万円程度。⼦どもが⽣まれる段階で賃貸マンションに住み続けるか夫婦で話し合い、「どうせ買うなら早い⽅がいい」と半年かけて現在の住居を⾒つけた。
東京23区内のマンション価格⾼騰で、多くの⼈が住まい探しに苦労している。新築だけでなく、中古も上昇。東京カンテイ(東京・品川)によると、23区の中古マンション平均希望売り出し価格は8⽉に70平⽅メートルあたり7030万円と3年前に⽐べて2割強⾼くなっている。「(頭⾦なしで購⼊費⽤をすべてローンでまかなう)フルローンで組むなら、購⼊の決断は40歳前後まで」(ライフルホームズ総研の中⼭登志朗チーフアナリスト)。世帯によっては「いつかマンション価格は下がる」と期待して待つにも限度がある。
マンション市況が落ち着くのを待てる若い世帯は賃貸マンションに住み続けるという選択もできるが、その賃料も上がり続けている。アットホームによると、東京23区の賃貸マンションの家賃指数(15年1⽉=100)は8⽉時点でカップル向けの30〜50平⽅メートルが120.1、ファミリー向け(50〜70平⽅メートル)は133.1まで上昇した。
そこで注⽬されているのが、中古の⼾建て住宅だ。東⽇本不動産流通機構(東⽇本レインズ)によると、東京都の中古⼾建ての成約件数は22年に4205件。新型コロナウイルス禍の反動増があった21年よりは減ったが、10年前に⽐べて3割弱増えた。同年の都内の新設住宅着⼯⼾数の3%強にすぎないが、じわり存在感を増している。20〜21年にパナソニックホームズや積⽔化学⼯業が中古住宅の買い取り・再販事業に参⼊した。
中古⼾建て⼤⼿のカチタスの23年4〜6⽉の販売件数は1789棟と20年同期⽐で3割弱増えた。埼⽟県や神奈川県の郊外で平均1600万円の中古⼾建てを販売する。世帯年収が200万〜500万円の世帯の購⼊が多い。同社は空き家の再⽣も⼿がける。新築住宅に⽐べて⽊材使⽤量はおよそ7分の1程度で済むため、販売価格を抑えやすい。
都内で職場に近いところに住むことが難しくなっている状況をうけ、住宅関連の福利厚⽣を⼿厚くする企業も増えている。福利厚⽣代⾏サービスを⼿がけるリログループによると、同社が企業から受託して管理する借り上げ社宅の⼾数は23年6⽉に24万1800⼾と18年3⽉から5割増えた。
社宅管理事業を統括するリロケーション・ジャパン(東京・新宿)の栗⼭直能代表は「飲⾷サービス業など⼈⼿不⾜解消に向けた採⽤強化策として社宅制度を導⼊する動きが⽬⽴つ」と話す。
福利厚⽣分野を研究する労務研究所(東京・港)の調査によると、家賃補助制度の実施率は23年度に38.1%と15年度より7.3ポイント上昇した。⼈⼿不⾜の中で、住宅⼿当は⼈材確保の1つの⼿段となりつつある。労務研究所の可児俊信代表は「住宅⼿当を⼿厚くする会社は増えていくだろう」と指摘する。
住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。
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