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中古マンションをリノベーション。ライフスタイルに合わせて空間をカスタマイズして自分らしい暮らしを楽しむ人が増えています。その中には築40年の物件をリノベーションして住んでいるという人も少なくありません。鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は何年でしょうか。

・47年
・65年
・117年

正解は117年。鉄筋コンクリート造のマンションは適切な管理をしていけば100年以上はもつとされています。
マンションの寿命を決める要素は何か、寿命を延ばすには何が必要なのか、長持ちマンションはどうやって選ぶのか、解説していきます。

マンションの耐用年数は47年

鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は、47年と定められています。これは、毎年価値が目減りしていき、最終的に建物の価値がゼロになるのが47年ということ。耐用年数を超えると何か性能が落ちるかのような錯覚に陥りますが、実際には何の影響もなく、耐用年数=寿命ではないのです。

家電を例に出すと、パソコンは4年、テレビで5年、冷蔵庫で6年が耐用年数とされています。耐用年数を過ぎても問題なく使えている方も多いのではないでしょうか。マンションも耐用年数の47年を超えても住み続けることができるのです。

マンションの寿命が65年といわれるワケ

一般的に、マンションの寿命は約65年といわれています。その根拠は、実験によって得られたコンクリートの中性化(水分を通すこと)の進行速度にあります。マンションはまず鉄筋を組み、それからコンクリートを流し込み、構造体を作っていきます。

構造体の耐久性の肝ともいえるのが、「コンクリートのかぶり厚」、鉄筋を覆うコンクリートの厚さです。部位や屋内か屋外かによっても様々ですが、例えば屋内柱や壁などは法律で30㎜と定められています。その30㎜のコンクリートが中性化するのに、計算上65年かかります。中性化すると水が浸透し、内にある鉄筋が錆びます。鉄筋がさびると膨張して、周囲のコンクリートを押しのけるように破壊させていき、ひび割れがおき、強度を失います。一般的にその時期を鉄筋コンクリート建物の寿命とみなします。

しかし、65年を経た建物でも実際に解体された建物を見てみると、ほとんど中性化は見られず、鉄筋もさびてないこともあるのです。実は、中性化進行の実験は、コンクリート打ち放しで屋外露出の条件で行われたもの。現実の建物とは条件がかなり違っているためです。実際のマンションの外壁は、タイルや塗装で覆われていて、直接風雨に晒されることなく、中性化の要因となる雨や炭酸ガスから保護されています。

長崎の軍艦島に建つ30号棟というマンションは、1916年築です。もう100年が経過していますが、倒壊の危険性はあるもののまだ倒壊はしていません。1974年の閉山以降、40年以上も管理などされていなく、雨風にさらされ続けているマンションであっても、実際にはまだ建っている事実があります。

国土交通省の研究例によるとマンションの寿命は117年

国土交通省のまとめた「RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」によれば、鉄筋コンクリート(RC)造の建物の物理的寿命は117年と推定されています(1979年、飯塚裕「建築の維持管理」鹿島出版会)。何も管理されていない軍艦島のマンションでも100年建っています。しっかり維持管理をすれば、100年は住むことができるのです。

管理の見極めが大切

鉄筋とコンクリートがいかに健全な状態かが、寿命を決めます。大規模修繕工事では、外壁や軒裏の修繕をしますが、単に美観的な意味だけでなく、構造躯体を保持するというのが本来の目的です。躯体の健全さに着眼して、定期的な修繕を行い、徹底した維持管理がなされれば、100年でもそれ以上でも維持できる良質なマンションとなるでしょう。

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