その1: 「1億円超えマンション」報道がもたらした影響

不動産市場において、新築マンションの売れ行きが徐々に悪化しているという報道が目立つようになりました。特に、首都圏の新築マンション市場では、その売れ行きの鈍化が大きな話題となっています。しかし、2024年8月までの市場データを見ても、報道されているほどの大幅な崩れは見られません。それでも「1億円超えのマンション」という報道は、確実に市場に影響を与えてきました​。

2023年3月、首都圏の新築マンションの平均価格が1億円を超え、なんと1億4360万円に達したという衝撃的な数字が発表されました。これが引き金となり、国内外の投資家が一斉にマンション購入に走り出す現象が発生しました。特に、中国人富裕層や日本国内の個人投資家たちが、この「高騰する都心マンション」に強い関心を示し、購入希望者が急増したのです​。

1.1 「価格が上がるとさらに買いたくなる」という現象

通常、不動産市場では、価格が上昇すると購入意欲が下がると考えられがちです。しかし、この時の投資家たちはまさに逆の動きを見せました。「価格が上がる前に買わなければ!」という心理が働き、物件が市場に出るや否や即座に満額で買い付けが行われる状況が続いたのです。特に、都心の高額物件は、値引き交渉もほとんど行われず、そのまま売れていくケースが相次ぎました​。

この現象は、中古マンション市場にも波及し、特に人気のエリアでは物件が出た瞬間に売れてしまうという異常な活況が見られました。結果として、投資家が集まり、価格を吊り上げてしまうという「バブル」の様相が現れたのです​。

1.2 投資家の動向が市場を左右する

では、なぜこれほどまでに投資家たちが動いたのか。それは、報道による「先高感」が大きな要因となっています。「都心マンションの価格は今後さらに上がる」という見込みに基づいて、多くの投資家がキャピタルゲインを狙ってマンション購入を加速させたのです。

しかし、この先高感が持続するかどうかは不透明です。実際、2024年8月時点では、新築マンション市場での販売戸数が前年同期比で22%も減少しており、価格も12%の減少を見せています。これにより、「投資熱」が冷め、市場が落ち着く兆しも見え始めているのです​。

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