2023/10/28 1:00 ⽇本経済新聞 電⼦版
アジア系の超⾼級リゾートが相次いで⽇本に上陸する。シンガポールの「ソネバ」や⾹港の「ローズウッド」が沖縄県などへの進出を計画する。新型コロナウイルス禍の収束で訪⽇観光が回復するなか、外国⼈富裕層の宿泊需要を取り込む狙いだ。⻑引く円安もアジア資本の進出の追い⾵となっている。
ソネバホールディングス(HD)のブルース・ブロムリー最⾼財務責任者(CFO)が⽇本経済新聞の取材に対し、2027年にも⽇本でリゾートを開業すると明らかにした。沖縄県で既に離島を購⼊する契約を結び、新潟県妙⾼市でも⼟地を取得する計画だ。
ソネバはモルディブやタイなどで超⾼級リゾートを展開する。専⽤プール付きの客室などが特徴で富裕層に⼈気が⾼い。沖縄ではビーチ、妙⾼市ではスキーに訪れる外国⼈富裕層を主要な顧客に想定する。いずれも⼾建ての宿泊棟が並ぶヴィラタイプを計画し1泊25万円以上になる⾒込みだ。
沖縄には既に「ハイアットリージェンシー」や「リッツカールトン」など欧⽶系の⾼級ホテルも進出しており、宿泊施設数は22年末時点で約3700軒と競争が激しい。
だが、富裕層が好むプライベート感のあるヴィラタイプの超⾼級リゾートはまだ少なく商機があると判断した。
ブロムリー⽒は「⽇本で外国⼈のレジャー需要が顕著に⾼まっている」と指摘し、「⽇本のリゾート開発を最も重要な案件として取り組む」と語った。旅館にも関⼼があるといい、今後5年で⽇本を含む新拠点の開発に総額1000億円を投じる。
外資による投資は活発だ。不動産サービス⼤⼿のジョーンズラングラサール(JLL)によると、⽇本のホテルへの外国企業の総投資額は22年に前年⽐約6倍の1625億円となり、コロナ禍前の19年の9割強の⽔準まで回復した。23年1〜6⽉は1285億円と、前年同期を上回るペースで増えている。
オラガ総研(東京・千代⽥)のまとめでは、23年に⽇本で外資系⾼級ホテルが17軒(合計3765室)開業する⾒通しだ。
訪⽇観光需要の回復に加え、円安や低⾦利による割安感が外資の投資を呼び込んでいる。地⽅リゾートへの投資は従来、欧⽶や中韓の企業が中⼼だったが、経済成⻑で⼒をつけた東南アジア企業の参⼊も増えてきた。
シンガポールのカノリーホテルズは22年12⽉、スキーリゾートの⻑野県⽩⾺村に貸し切り宿泊施設を開業した。料⾦は時期によって変動し1泊20万〜80万円ほど。現在は東南アジアやオーストラリアからの宿泊客が多い。「(ウインタースポーツを楽しめる)ハイシーズンは予約が埋まりつつある」(担当者)
アジアの不動産開発に詳しい野村総合研究所タイの加藤悠史グループマネージャーは「(⽇本の案件は)⼟地や建物に加え、⽔道や電気、交通などのインフラを含めて他国に⽐べて安いとみられている」と指摘する。
アジア資本が⽇本企業と組んで進出する事例も⽬⽴つ。⾹港を拠点とするローズウッドホテルズ&リゾーツは24年に沖縄県宮古島でリゾートを開業する。物件を所有する三菱地所と運 営受託契約を結んだ。55棟のヴィラからなり1泊10万円超になる⾒込みだ。
外資にとっては不動産を持たずに低リスクで⽇本に進出できる⼀⽅、⽇本企業は海外で評価の⾼いホテルブランドを⽤いて外国⼈客を呼び込む効果を期待できる。
地⽅リゾートを巡っては乱開発の問題もある。スキーリゾートとして⼈気のニセコ地区を抱える北海道倶知安町は10⽉、リゾート開発に関する規制を⾒直した。地域ごとに施設の床⾯積の上限や容積率規制、⾼さ制限などを強化した。ニセコでは開発の活発化で、不動産価格や物価が上昇している。
政府は3⽉、23〜25年度の観光⽴国推進基本計画を閣議決定し、地⽅への誘客を推進する⽅針を掲げた。質の⾼いリゾートづくりに併せて、観光公害を和らげる施策も求められる。
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