2023/10/24 5:00 ⽇本経済新聞 電⼦版

⾦融業界が空き家解消⽀援に本腰を⼊れ始めた。オリエントコーポレーションは地域⾦融機関と専⽤ローンを全国展開し、三菱UFJ銀⾏はフィンテックなどと空き家活⽤を探る。訪⽇客(インバウンド)の回復による⺠泊利⽤などが⾒込めるためで、地域の活性化や資⾦需要の開拓につなげる。

オリコはスタートアップの空き家活⽤(東京・港)、全国の地域⾦融機関と組んで専⽤ローンの取り扱いを始めた。空き家活⽤が運営する物件のマッチングサイト「アキカツナビ」で空き家を購⼊した⼈などに、オリコが事前審査し保証した上で、地銀などが最⼤1000万円(期間は15年)融資する。

まず⼤分銀⾏や北⽇本銀⾏、京都銀⾏、きらぼし銀⾏、滋賀銀⾏、島根銀⾏、荘内銀⾏、筑邦銀⾏、千葉興業銀⾏、栃⽊銀⾏、肥後銀⾏、福井銀⾏など25の地域⾦融機関と提携する。     滋賀銀⾏ではすでに200件の申し込みがあり、平均単価は400万円程度という。オリコは他の地銀や信⽤⾦庫にも取り扱いを広げる。

⽇本では空き家の増加が社会問題になっている。総務省によると2018年時点で全国には849 万⼾の空き家があり、30年間で2倍になった。

⾦融機関にとっても⾒逃せない問題だ。新築・中古住宅の購⼊者にローンを提供してきた が、それらの物件が核家族化や所有者の⽼⼈ホーム転居によって空き家になり、適切に管理しない家屋が増えれば倒壊や犯罪などのリスクが⾼まる。周辺の不動産の資産価値が下がる可能性もあり、地域経済に影響が出る懸念がある。

これまでも⾃治体には空き家情報を登録する「空き家バンク」などはあったが情報が不⼗分で、⾝近な相談窓⼝や対応する⾦融商品も少なかった。地域経済に詳しい⾦融機関だからこそ必要な資⾦を提供できるとみる。地域によっては旅館の廃業や⼈⼿不⾜で訪⽇客が宿泊できるような施設が⾜りないため、⺠泊利⽤などを前提にした空き家向け融資の需要が⾒込める。

空き家に注⽬が集まるのは、新型コロナウイルス禍後の経済再開や円安で地⽅でも訪⽇客が増えていることも⼤きい。⽇本政府観光局(JNTO)によると9⽉の訪⽇客数は約218万⼈で19年同⽉の96.1%となり、新型コロナ前の⽔準をほぼ回復した。海外の富裕層が定期的な滞在先として空き家を購⼊することもある。

6⽉には空き家の活⽤を促す改正空き家対策特別措置法が成⽴し、年内にも施⾏される⾒通し。今回の特措法改正では管理状態が悪い空き家について改善勧告に従わない場合、固定資産税の優遇対象から外す。住宅に⽤途が限られた区域でも空き家を店舗などに転⽤できるようになり、空き家活⽤の機運が⾼まる。

三菱UFJ銀⾏やみずほ不動産販売、解体⼯事仲介サービスのスタートアップ、クラッソーネ(名古屋市)などは9⽉、「全国空き家対策コンソーシアム」を創設した。参画する11企業・団体は空き家の流通や解体といった専⾨技術や顧客をもつ。専⾨のノウハウを共有し、⾃治体からの問い合わせ対応や空き家対策の情報発信を担う。

コンソーシアムに参加する相続分野のフィンテック企業、AGE technologies(エイジテクノロジーズ、東京・豊島)の塩原優太最⾼経営責任者(CEO)は「各社の知⾒をいかして空き家の市場価値をどう⾼めていくかが重要になる」と話す。将来的には参画企業が、空き家の紹介や売買、融資、相続対策など必要なサービスを提供する⽅針だ。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

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