「旅行は好きだけど、体が不自由だと不安…」

「旅行は好きだけど、体が不自由だと不安…」
こうした悩みを解消し、誰もが安心して旅行を楽しめるユニバーサルツーリズムが注目されています。しかし、日本ではバリアフリー整備が遅れており、観光市場の潜在的な1兆円分が取りこぼされているという試算も出ています。

この記事では、ユニバーサルツーリズムの現状と課題、さらに今後の可能性について詳しく解説します。

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ユニバーサルツーリズムとは、年齢や障害の有無に関わらず、すべての人が安心して楽しめる旅行を指します。欧米では「アクセシブルツーリズム」とも呼ばれ、観光地のバリアフリー化が進んでいます。

背景

  • 国連の障害者権利宣言(1975年):欧米を中心に観光施設のアクセシビリティ向上が進展。
  • 日本の取り組み:2007年の観光立国推進基本法に盛り込まれたが、実際の進捗は遅れ気味。

経済産業研究所によると、高齢者や障害者が自由に国内を旅行できれば、市場規模は約3.3兆円と推定されています。しかし、現実には約2.3兆円しか実現できておらず、1兆円以上の潜在市場が取りこぼされている状況です。

原因は「設備・サービス不足」

  1. ホテル・旅館の未対応
    • 車椅子用トイレがない施設:44%
    • 車椅子対応レストランがない:19%
  2. 旅行業界の旧モデル
    • 団体ツアー中心の発展により、個別のバリアフリー対応が遅れた。
    • 介助付きの旅行プランは限られ、多くの旅行会社が対応を断っている。
  3. 行政の縦割り構造
    • 厚生労働省、国土交通省、観光庁などの役割が分散し、取り組みが進まない。

ユニバーサルツーリズムの成功事例として注目されるのが、スペイン・バルセロナです。

  • 視覚障害者向け:世界遺産「サグラダ・ファミリア」では、触って学べる模型を展示。
  • 知的障害者向け:劇場で自閉症や知的障害者向け公演を実施。

さらに、障害者団体「オンセ」が共通規格を策定し、宿泊・文化・交通全てを網羅したバリアフリー対応が進んでいます。その結果、バルセロナの観光客数は1990年代から3.5倍に増加しました。

日本でも訪日外国人観光客(インバウンド)が増加する中、ユニバーサルツーリズムは経済成長の鍵を握っています。

  • 訪日客のニーズ
    • 福祉器具の貸し出しや点字案内の充実。
    • 車椅子利用者向けの設備やサービスの提供。
  • 高齢化社会の需要
    • 日本は今後、高齢者人口が急増。ユニバーサルツーリズム市場は2035年まで拡大する見込みです。
  1. バリアフリー施設の整備
    • 車椅子用トイレやエレベーターの設置、段差の解消。
  2. トラベルヘルパー(旅行介助者)の育成
    • ユニバーサルツーリズムに特化した介助専門スタッフを増やす。
  3. 情報発信の強化
    • バリアフリー対応状況を国内外の旅行者にわかりやすく公開。
    • アクセシブルジャパンのような専門サイトと連携する。

ユニバーサルツーリズムは、単なるバリアフリー対応を超え、すべての人が楽しめる観光を目指す取り組みです。日本が遅れを取り戻すためには、設備の整備やサービス拡充、情報発信が不可欠です。

特に高齢化が進む日本において、ユニバーサルツーリズムは今後の経済成長や地域活性化の鍵となるでしょう。

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