「あなたにとって理想の暮らしとは?」住宅リノベーションの現場の実感として、これに即答できる方は1割程という印象です。リノベーションは理想の暮らしを作るための手段。中古物件を購入してリノベーションを検討している方は、大前提として「自分にとっての理想の暮らしをとは何か」を考えてみる必要があります。

コンセプト

リノベーション会社によっては、ヒアリングの上手なデザイナーやコーディネーターがおり、あなたが口にする要望から背景を深く読み取り、共感し、期待を超える満足度の高い提案をしてくれます。しかしヒアリングが満足にされなかった場合、表面的な要望がそのまま形になってしまうこともあります。

・要望通りだけど、満足できない家
・当初の要望とは異なるが、期待以上の満足を得られる家

当然ながら後者の方が良いという方が多いでしょう。現実問題、深くヒアリングしてくれるパートナーに出会えない可能性もあるため、良い家づくりのためには、「理想の暮らしを自ら固めて、わかりやすく伝える」ことが求められます。そこで今回は、理想の暮らしのコンセプトを固めるための思考のフレームワークを紹介します。

街並み 緑

暮らしを3つに分解する

まず、暮らしの要素を3つに分解します。

「住環境」・・・どんな街に住むか
「住まい方」・・・どんな空間に住むか
「ライフプラン」・・・いくらで住むか(中長期のマネープラン)

「どんな街に、どんな空間で、いくらくらいで住むか」
こう考えてみると、抽象的な考えが具体的にまとまりやすくなります。

コンセプトをつくるための思考のフレームワーク

「住環境」「住まい方」「ライフプラン」の3つを更に深掘りして、理想の暮らしのコンセプトをつくる思考法をご紹介します。それは次の6つの質問を自分に投げかけることです。

①    現状
「今、どんな街に住んで、どんな空間に住んで、暮らしの収支はどうか」
「何に不満を持っていて、それはなぜか」
「何が気に入っていて、それはなぜか」
②   理想
「どんな街に住みたいか、どんな空間で何をして過ごしたいか、いくらくらいのコストをかけるか」
「将来の夢は何か」
③    理想の背景
「前で挙げた理想はなぜか」
「理想の背景にはどんな事実があるか」
「その事実からどう感じたのか」
④ 施策
「理想を叶えるために、何か行動したかどうか」
「実際にどんな行動をしたか」
「なぜそれをやろうと思ったか、やらなかったのはなぜか」
⑤ 施策の満足度
「実際に行動してみて結果はどうだったか」
「結果から何を感じたか」
「これからどうしようと考えるか」
⑥ まとめ
現状、理想、理想の背景、施策、施策の満足度をまとめる
点と点をつなげるイメージ

家 ミニチュア 計算機

フレームワークをどう使うか

理想の暮らしの3要素である「住環境」「住まい方」「ライフプラン」を6つの視点でみていくことにより、思考が深まり、理想の暮らしのコンセプトがより強固なものになります。これを使いこなすコツは、あまり肩の力をいれずにリラックスして、考えを巡らせることです。カフェにノートとペンを持ち込んで、リラックスしながら書き出してみましょう。

一番大切なのは「現状」。今目の前にある暮らしは、あなたが意識的に、もしくは無意識に選んできたことの積み重ねです。ここにあなたの価値観が一番反映されています。現状が正確に把握できていないと、そのあとの項目にズレがでてきます。一番時間をかけて見つめるようにしましょう。リノベーションの現場でも、理想を描けない方の多くは、現状があまり把握できていない傾向にあります。

このフレームワークを使って思考していくことで、「実はこんな暮らしがしたかったけど、我慢していた」「絶対にやりたいと思ったけど、他人の影響で実はやりたいことではなかった」というようなことが見えてきます。是非活用してみてください。

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