春の引っ越しシーズンによる 賃貸需要の高まり や、住宅価格の高騰による 購入見送り層の増加

東京23区の分譲マンション賃料が 2カ月連続で上昇 し、2024年6月に記録した最高値に迫っています。不動産調査会社の東京カンテイによると、2025年1月の平均賃料は、

1平方メートルあたり4,332円(前月比+0.9%)
2024年6月の最高値(4,336円)にほぼ並ぶ水準

この動きの背景には、春の引っ越しシーズンによる 賃貸需要の高まり や、住宅価格の高騰による 購入見送り層の増加 があります。

今回の分譲マンション賃料上昇には、以下の3つの要因が関係しています。

(1) 購入から賃貸へのシフト

近年、マンション価格の上昇が続いており、実需層(住むために購入する人)が 購入を見送り、賃貸を選択する傾向 が強まっています。

新築マンション価格が高騰 → 購入できない人が賃貸に流れる
住宅ローン金利の変動リスク → 金利上昇を懸念し、様子見する人が増加
所得の伸び悩み → 住宅購入のハードルが上がり、賃貸ニーズが継続

(2) 出社回帰と「職住近接」ニーズの高まり

リモートワークの普及で一時は郊外に移る人が増えましたが、最近では 出社回帰の流れ が強まり、都心部に住みたいと考える人が増えています。

東京カンテイの高橋雅之・上席主任研究員も、「職住近接のニーズがあり、都心部の賃貸需要はしっかりしている」と指摘しています。

(3) 春の引っ越しシーズンによる影響

1月~4月は 賃貸市場の繁忙期 です。この時期には新生活を迎える人の引っ越し需要が高まり、新規契約や更新契約が増えるため、

貸し手(オーナー側)は強気の賃料設定を行いやすい
賃料の引き上げが進みやすい時期である

という傾向があります。

首都圏全体でも、1月のマンション賃料は 前月比+0.4% の3,579円となり、2カ月連続で上昇しました。

神奈川県 → 2,698円(前月比+0.5%、8カ月ぶりのプラス)
千葉県 → 2,067円(前月比+1.0%、3カ月連続上昇)
埼玉県 → 2,177円(前月比-0.4%、4カ月連続で下落)

特に、神奈川・千葉の賃料は上昇傾向 にある一方、埼玉は賃料が下落傾向にある点が特徴です。

(1) 2月以降も賃料上昇の可能性

東京カンテイの調査によると、「春の賃貸需要の影響で、2月以降も賃料が上昇し、2024年6月の最高値を超える可能性が高い」とされています。

築浅物件の供給が減っている → 高価格帯の賃料水準が維持される
都心回帰の流れが続く → 賃貸市場の底堅い需要を支える

(2) マンションオーナーは賃料設定を見直すべき?

現在、賃貸市場はオーナーにとって 強気の価格設定が可能なタイミング です。しかし、今後の金利動向や住宅市場の変化を考えると、

長期的な空室リスクを避けるため、競争力のある賃料設定が重要
リノベーションや設備投資を行い、付加価値を高める工夫が必要

といった戦略が求められます。

東京23区の分譲マンション賃料は、2カ月連続で上昇
住宅購入を見送る層の増加&職住近接ニーズが賃貸市場を後押し
2024年6月の最高値(4,336円)を超える可能性が高い

今後も、都心部の賃貸市場は堅調に推移する見込みです。マンションオーナーの方は、賃料戦略をしっかりと見極めながら、適切な価格設定を行うことが求められます。

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