相続税が大幅に増加するケースが増えています
「タワーマンション節税はもう使えない…?」
2024年1月からマンションの相続税評価額の算出ルールが変更され、特にタワーマンションに影響が及んでいます。これまで節税対策として人気を集めていたタワマンですが、評価額が市場価格に近づくことで相続税が大幅に増加するケースが増えているのです。
この記事では、改定の背景と影響、そして都心3区(千代田区・中央区・港区)に物件をお持ちの方が今後取るべき対策について解説します。
タワマン節税の終焉?改定のポイント
これまでマンションは、相続税評価額が市場価格の4割程度に抑えられることが多く、戸建てに比べて節税対策として有利とされていました。
旧ルールの問題点
- タワーマンションでは「土地の持ち分」が少ないため、評価額が低くなる傾向がありました。
- 高層階や築浅物件でも、市場価格に対して不自然に低い評価が続いていました。
新ルールの概要
2024年1月から、相続税評価額は市場価格に近づくよう補正されました。
- 乖離率(市場価格と評価額の差)が大きい場合、評価額を市場価格の60%以上に引き上げる。
- 階数や築年数、敷地持ち分の狭さが考慮され、高層階ほど評価額が高くなる仕組みです。
具体例:評価額が2倍に跳ね上がるケースも
新ルールが適用された場合、都心3区の高層マンションではどの程度評価額が増えるのでしょうか?
ケース①:築6年、38階建てタワーマンション19階
- 旧評価額:土地・建物合計で約4150万円
- 新評価額:約8350万円(2倍以上に増加!)
このケースでは、従来55万円だった相続税が、約750万円に跳ね上がります。
なぜタワマンが狙われたのか?背景と影響
タワーマンションの相続税ルールが見直された背景には、以下の点が挙げられます。
- 市場価格と評価額の乖離
- 高層階や築浅物件の価格は市場で高額で取引されているのに、相続税評価額が不自然に低かったことが問題視されました。
- 富裕層の節税対策
- タワマンを活用した節税対策が広まり、不公平感が高まっていたため、是正が必要とされました。
影響範囲
- タワマンだけでなく、低層マンションや築古物件にも影響が出るケースが確認されています。
- 都心3区の資産価値が高い物件ほど、相続税額の増加が顕著です。
相続対策はどうする?今からできる3つのポイント
相続税負担が増える今、都心3区で高額マンションをお持ちの方は早めの対策が重要です。
- 小規模宅地等の特例を活用する
- 相続人が故人の自宅に住み続ける場合、土地の評価額を最大80%減額できる特例です。
- 適用条件があるため、早めに専門家と相談することが大切です。
- 生前贈与や資産の分散
- 生前に贈与を行い、相続財産を圧縮する方法も有効です。ただし、贈与税との兼ね合いを考慮し、計画的に進めましょう。
- 不動産の売却と資産の現金化
- 相続税の支払いに備えて、不要な不動産を売却し、現金化する方法もあります。
- 相続後に売却することで、**「取得費加算の特例」**を活用し、譲渡所得税を抑えることも可能です。
まとめ:都心3区のタワマン相続は「早めの準備」がカギ
2024年1月から始まった新ルールにより、タワーマンションの相続税評価額が大幅に引き上げられるケースが増えています。特に都心3区では高層階や築浅物件ほど影響が大きく、これまでの「タワマン節税」は通用しなくなりました。
しかし、適切な対策を講じることで相続税負担を軽減することは十分に可能です。早めに不動産の評価額を試算し、特例や売却の選択肢を検討することが、次世代への資産継承をスムーズに進めるポイントとなります。
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