マンションを選ぶときに、価格やエリア、広さを見ても、修繕積立金までしっかり確認する人はまだまだ少ないかもしれません。しかし、修繕積立金はとても大切な要素。今回は修繕積立金とは何か、適正額はいくらなのか、管理の良し悪しをどうやって判断するのかを解説していきます。
修繕積立金とはマンションの維持管理のためのもの
マンションの外壁や屋根、エレベーターなどの共用部分は、マンションの住民で構成される管理組合が主体となって維持管理・修繕をしていきます。安全・安心で、快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するためには、適時・適切な修繕工事を行うことが必要。マンションの共用部分の修繕工事は、15~30年といった長い周期で実施されるものが多く、修繕工事の実施時には、大きなお金が必要となります。
こうした多額のお金を、修繕工事をするときになって一括で徴収することは、マンションの住民にとって大きな負担になります。そのため、マンションの住民の合意形成が難しく、場合によっては、資金不足のため必要な修繕工事が実施できないといった事態にもなりかねません。こうした事態を避けるため、将来予想される修繕工事に要する費用を、長期間にわたり計画的に積み立てていくのが、修繕積立金。このように、修繕積立金は、マンションを長期間にわたり、良好な状態に維持していくために必要なものです。
修繕積立金には適正額がある
インターネットで物件探しをしていて、マンションによって毎月の修繕積立金の額が全然違うということに気づかれた方もいるかもしれません。安ければ安いほど良いと思ってしまいがちですが、それは大きな間違い。修繕積立金には適正額があります。適正額より高ければ、過去うまく管理ができていなかった可能性も。適正額よりも安ければ、将来修繕積立金が値上げされる可能性があるのです。
国土交通省が定めた『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』によると、マンションの規模や階数にもよりますが、おおよそ一平米あたり200円が適正額とされています。70平米のマンションなら70平米に200円をかけて、14,000円が適正額です。
どうやって管理の良し悪しを見極めるのか
ポイントは3つあります。
毎月の修繕積立金は適正額かどうか
購入予定の物件の広さ(㎡)に200円を掛け算した金額と、実際の修繕積立金の額を見比べてみましょう。数千円の差は許容範囲として、1万円以上乖離がある場合には注意が必要です。
長期修繕計画書が存在しているか
国土交通省による長期修繕計画ガイドラインは定められているものの、まだまだ長期修繕計画書を作成していない管理組合もあります。長期修繕計画が無いということは修繕が場当たり的になり、予想外の出費につながる場合も。大前提として、長期修繕計画書があるマンションを選びましょう。
修繕積立金が十分にたまっているか
「重要事項調査報告書」を見れば、マンション全体で修繕積立金がいくらたまっているのかを確認することができます。大規模修繕工事をするのに、一戸当たり100~150万円ほどかかるといわれ、50世帯のマンションであれば、約5,000万円必要となります。例えば、1年後に大規模修繕工事を控えているとして、現在マンション全体で1,000万円たまっているとします。この場合、明らかに工事費が足りません。この場合は修繕積立金が値上がりしたり、一時徴収金として、数十万円徴収される可能性もあります。
これら3つのポイントを押さえておけば、最低限マンション管理の良し悪しを判断する材料にできるでしょう。しかし、細かいところまですべて自分で調べようとすると大変。セルフィンなら、管理状態をチェックして、物件診断レポートを出してくれます。マンションは管理を買えといわれるほど、管理状態は重要です。物件選びで失敗したくない、そんな人はぜひセルフィンをご活用ください。
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