2023/12/23 2:00  ⽇本経済新聞  電⼦版

不動産⼤⼿ヒューリックは、直営するホテル・旅館の運営数を、20施設(11⽉時点)から2030年前後をめどに倍増させる。銀座や⻘⼭などの東京都⼼部に加え、⾸都圏近郊や地⽅の観光地で施設の新設や⽤地取得を進める。新型コロナウイルスの影響から観光業が回復する中、ホテル・旅館事業の戦略について、⻄浦三郎会⻑に聞いた。

――運営するホテル・旅館の施設数を倍増させる狙いは。

「新型コロナウイルスの影響で落ち込んだホテル需要は、平均客室単価(ADR)を上げても稼働率は9割前後まで回復している。宿泊者の7〜8割はインバウンド(訪⽇客)が占める。当社はオフィスを中⼼に⼿がけてきたが、国内⼈⼝の減少が明らかな中で需要落ち込みは⾒えており、海外富裕層も含めたBtoC向けビジネスも拡⼤する必要がある」

――具体的なブランドやエリアは。

「直営のホテルブランド『ザ・ゲートホテル』は、現在操業ないし開発している8施設に加 え、6施設を新たに取得・開発する。新規の⽤地取得だけでなく、既存オフィスビルの建て替えなども選択肢だ。都内では銀座や南⻘⼭、新宿などで、特に銀座は⾃社以外も含めてホテル街を作ってもいいほど需要がある。地⽅では訪⽇客に⼈気が⾼い広島などを検討している。いずれもまずは直営を想定している」

「カトープレジャーグループが運営する⾼級旅館ブランド『ふふ』は9施設が稼働し、既に神奈川県城ケ島や軽井沢など4施設を開発している。今後、追加で4施設を開発する。都⼼から 1時間半圏内の温泉旅館をコンセプトに、1泊10万〜30万円の⾼価格帯で提供するが、固定客から料理などで⼈気を得ており、コロナ禍でも9割の稼働率を維持した。今後は京都や奈良に加え、北海道の定⼭渓や兵庫の有⾺温泉でも⽤地・物件の選定を進める」

――建築コストが⾼騰するなかで投資規模は。

「現在保有するオフィスビルや商業ビルの建て替えも⾏う⼀⽅、新設となると⼟地購⼊費も建築費も⾼騰しており、最低でも数百億円規模の投資になる。ふふは全ての部屋が異なる間取りでつくられており、さらに⾼くなる可能性はある。ただ、多くの料理⼈を抱えて⾼付加価値な体験を提供しており、外れはないと⾃負している」

――⼈⼿不⾜にどう対処しますか。

「ホテル内のワーカーの確保が⼀番の課題となっている。ベッドメーキングなどを⽀えてきた外国⼈が円安で集めづらくなり、他社では稼働率を引き上げられなくなっている。2030年には700万⼈の労働⼒が不⾜すると指摘され、⼈⼿のかからないビジネスを構築する必要がある」

「⼦会社で運営する『⽇本ビューホテル』では浅草や両国で複数施設を運営し、エリアを統括するマネジャーを置いて⼈員不⾜を助け合う態勢を取っている。今後の拡⼤は、近い地域で複数展開を前提とする。DX(デジタル・トランスフォーメーション)の活⽤も必要になるだろう」

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

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