2023/9/14 20:00  ⽇本経済新聞  電⼦版

静岡県熱海市の⽼舗総合リゾート企業ACAO SPA & RESORT(アカオ・スパ&リゾート、略称アカオ)は不動産投資クラウドファンディング(CF)を通じ約5億4000万円を調達する。資⾦は所有する65万平⽅メートルの⼟地や施設の改修・開発に投じ、2027年を⽬標に撤退したホテル事業への再参⼊を⽬指す。

最低1⼝1万円の少額から不動産CFができるLAETOLI(ラエトリ、東京・港)のサービス「COZUCHI(コヅチ)」から資⾦を得る。アカオは観光庭園「ACAO FOREST(アカオフォレスト、熱海市)」の駐⾞場をラエトリに売却。コヅチを通じ駐⾞場⾃体をファンド化する。駐⾞場は出資者で構成される任意組合で持ち合い、アカオが組合から借りて運営する。

出資は⼀般から募り1⼝10万円。駐⾞場としての収⼊で半年に1度出資者に利益分配する。運⽤期間は10年で、利回りは4%。募集期間は15⽇まで。

アカオは25年までに同社のビーチリゾートや⾜湯を改修する⽅針で、コヅチの利⽤も検討する。資産価値の向上により、27年にホテル事業へ再参⼊する考えだ。

熱海は新型コロナウイルス禍でも⾸都圏からの観光客が多く好調で、ホテルなどの新規開業が相次ぎ中⼼部の地価が上昇している。22年の地価調査では熱海駅前の地点で平均変動率が前年⽐10%ほど上昇した。

ただ、同市郊外の地点の平均変動率は軒並み前年⽐数パーセント下落しており、市内でも地価の動向が⼆極化している。アカオの中野善寿最⾼経営責任者(CEO)は「熱海エリア全体での価値創造が重要」と強調する。

ラエトリの武藤弥CEOは国際的なスキーリゾートとして⼤幅に地価が上がった北海道のニセコと同様に「熱海も今後、地価上昇が⼗分に⾒込める」と話す。武藤CEOはニセコのように外国資本ではなく、国内から幅広く投資を呼びかけ開発することで地元住⺠にも熱海の価値を実感してもらいたいとする。

アカオは⾼級ホテルの2施設を運営していたが、新型コロナウイルス禍での客数減少に⻭⽌めがかからず21年11⽉に営業を終了した。同社の21年12⽉決算は売上⾼9億6000万円、最終 損益は32億円の⾚字。同社は22年12⽉にホテル事業を⽶投資ファンドに売却しホテル事業 から撤退した。アカオは28年ごろまでに売上⾼9億円、純利益2億円の達成を⽬標に掲げる。

不動産CF、ネット取引解禁で拡⼤

不動産投資クラウドファンディング(CF)は不動産特定共同事業法(不特法)に基づく不動産投資の⼿法だ。2017年の法改正でインターネット取引が解禁され、国交省によると22年度の取引件数は前年⽐1.8倍の419件。出資募集額は同2.6倍の604.3億円と裾野が広がって いる。

不動産CFはインターネットなどを通じ複数の投資家から資⾦を募り不動産の取得・運⽤を⾏う。取得した⼟地の価格が上がることなどで発⽣した利益が投資家へ分配される。

住宅購入で無理のない資金計画を立てる事は、将来の暮らしを変えるポイントとなるので、わからない事などあった際には、是非ご相談ください。

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