かつては、東京の中心部を環状に走る山手線内に暮らすことが「都心に暮らす」ことを意味していました。しかし、近年では、山手線の中でもとりわけ皇居や国会議事堂などの日本を象徴する建物が集う「千代田区」への注目が高まり、千代田区で暮らしたいという方も増えています。

とはいえ、実際に千代田区で暮らすとなると、交通の利便性が気になりますよね。どんなに都心に住んでいても、職場や学校に行きにくいのでは話になりません。そこで、千代田区内にあるすべての駅について乗り入れ路線数と7時台・8時台の本数について調べてみました。ランキング形式で利便性の高い駅を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【基本情報】千代田区内にある駅を全紹介

駅舎が千代田区内にある駅は、以下の通りです。

秋葉原、市ヶ谷、御茶ノ水、神田、東京、有楽町、大手町、神保町、赤坂見附、九段下、半蔵門、日比谷、霞ヶ関、永田町、麹町、新御茶ノ水、小川町、竹橋、末広町、岩本町、淡路町、内幸町、二重橋前、国会議事堂前、桜田門

JR線の駅

JR線と東京メトロ、都営地下鉄のすべての路線を合わせて、千代田区内には上記の通り25の駅があります。JR線は新幹線と山手線、京浜東北線、中央線、総武線、横須賀線、京葉線の7つの路線が走っていますが、新幹線が走っているのは「東京」駅だけです。東京駅では、東海道新幹線だけでなく、東北新幹線や秋田新幹線、山形新幹線、北陸新幹線、上越新幹線、北海道新幹線、山陽新幹線の各新幹線に乗車あるいは乗り換えすることができます。

なお、中央線については、路線が総武線と重なっているところが多いです。そのため、今回は、中央線の快速以上の列車(快速・通勤快速・中央特快・通勤特快)が止まる駅のみ「中央線が利用できる駅」としてカウントします。

東京メトロと都営地下鉄の駅

千代田区内を走る東京メトロは、丸の内線と日比谷線、有楽町線、銀座線、南北線、半蔵門線、千代田線、東西線の8路線で、副都心線以外のすべての路線が走っています。一方、千代田区内を走る都営地下鉄は、都営新宿線と都営三田線の2路線のみです。合計10路線も使用できますので、全体的に千代田区は地下鉄での通勤や通学が便利な区と言えますね。

利用路線が多い駅ベスト5

千代田区内で利用路線が多い駅のトップ5を紹介します。

1位:東京駅(新幹線、山手線、京浜東北線、横須賀線、京葉線、中央線、東京メトロ丸ノ内線)

2位:秋葉原駅(山手線、京浜東北線、総武線、東京メトロ日比谷線)

2位:神田駅(山手線、京浜東北線、中央線、東京メトロ銀座線)

2位:市ヶ谷駅(総武線、東京メトロ南北線、東京メトロ有楽町線、都営新宿線)

2位:大手町駅(東京メトロ半蔵門線、東京メトロ丸ノ内線、東京メトロ千代田線、東京メトロ東西線)

1位はJR線の6路線と東京メトロ丸の内線の合計7路線を利用できる「東京駅」です。新幹線だけでも7路線もありますから、別々に数えれば13路線も利用できる巨大ターミナルですね。ただし、JR線の乗り入れは充実していますが、地下鉄は1本しか通っていませんので、地下鉄での移動を重視したい方にはあまり便利とは言えません。

2位は秋葉原駅と神田駅、市ヶ谷駅、大手町駅です。それぞれ4路線が利用できます。秋葉原駅と神田駅はJRの3路線と東京メトロ1路線が利用できますが、市ヶ谷駅を通るJR線は総武線1路線のみで、東京メトロ2路線と都営地下鉄1路線が利用できます。一方、大手町駅を通っている4路線はいずれも東京メトロの路線です。通勤通学や普段の移動に東京メトロを利用する方にとっては、千代田区内でもっとも便利な駅は大手町駅と言えるでしょう。

朝7時と8時台の電車本数が多い駅ベスト5

路線がたくさん通っていても、電車の本数が少ないならあまり便利とは言えません。通勤や通学でもっとも混み合う平日朝7~8時台に何本の電車が発着するのかランキング形式で紹介します。なお、時刻表はすべて2019年3月末時点のものを参考にしています。

1位:東京駅396本(新幹線59本、山手線80本、京浜東北線94本、横須賀線13本、京葉線23本、中央線27本、東京メトロ丸ノ内線100本)

2位:大手町駅358本(東京メトロ半蔵門線85本、東京メトロ丸ノ内線100本、東京メトロ千代田線84本、東京メトロ東西線89本)

3位:神田駅352本(山手線79本、京浜東北線87本、中央線89本、東京メトロ銀座線97本)

4位:秋葉原駅329本(山手線80本、京浜東北線86本、総武線78本、東京メトロ日比谷線85本)

5位:霞ヶ関駅272本(東京メトロ丸ノ内線106本、東京メトロ日比谷線84本、東京メトロ千代田線82本)

やはり路線数が多い東京駅が、電車の本数ももっとも多かったです。しかし、東京駅は各路線(京葉線や横須賀線、中央線、各新幹線)の始発駅であることが多いため、路線数が多い割には電車の本数は控えめでした。また、元々JR線よりも地下鉄の方が電車の本数が多く、地下鉄の中でも都営地下鉄より東京メトロの方が電車の本数が多いため、電車の路線が多い駅よりも東京メトロの路線が多い駅の方が電車の本数は多くなります。2位の大手町駅は4路線すべてが東京メトロですので、電車の本数は東京駅に肉薄しています。

また、5位の霞ヶ関駅は3路線しか走っていませんが、3路線ともに東京メトロであるため、4路線走っている市ヶ谷駅(252本)よりも電車の本数は多くなっています。電車の利便性を考えるときは、利用できる路線が多いということも重要ですが、東京メトロの路線数が多いことにも注目すべきということが分かりますね。

千代田区内には交通の便が良い駅が多い

千代田区内には、わずか2時間の間に300本以上の電車が停まる駅が4つもあります。また、200本以上停まる駅は、上位5駅だけでなく市ヶ谷駅、有楽町駅、御茶ノ水駅、神保町駅、九段下駅、日比谷駅、永田町駅と総計12駅もあります。

駅と駅の間が短いのも千代田区の特徴です。例えば内幸町駅は半径500メートルほどの中に新橋駅や虎ノ門駅、霞ヶ関駅、日比谷駅などの多数の駅があるため、乗り換えて移動するよりも、歩いて別の駅に行ってから地下鉄やJRに乗る方が便利なときもあります。交通の利便性を重視してお住まいを探している方は、利用路線と電車の本数が多く、駅間が近い千代田区に注目してみてはいかがでしょうか。